整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

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整形外科医でもカプノメータは知っておくべき!

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日本医師会雑誌の 2021年7月号の特集は、鎮静についてでした。総論を拝読していると、カプノメータの話がありました。恥ずかしながらカプノメータは初めて知りました。



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カプノメータとは、呼気に含まれる二酸化炭素ガス分圧を測定するモニターです。気管チューブと人工呼吸器回路の間に設置して呼気終末二酸化炭素ガス分圧を測定します。


鎮静に際しては、カプノメータとパルスオキシメータの両方で呼吸状態を監視する必要があるそうです。素人的には、パルスオキシメータだけではダメなのかという疑問が湧きます。


調べてみると、カプノメータは換気のモニターであることに対して、パルスオキシメータは酸素化のモニターに過ぎないことが理由でした。


酸素化できていれば OKではないのか?と思う人も多いことでしょう。例えば酸素化した状態で挿管した場合、食道挿管してもパルスオキシメータではすぐに反応しないそうです。


このため、パルスオキシメータが降下する頃にはすでに手遅れになっています。一方、カプノメータは換気のモニターなので、食道挿管も瞬時に判断できます。


このように鎮静での呼吸管理に際しては、カプノメータの方がパルスオキシメータよりも有用なのです。他科のこととは言え、カプノメータの存在を知らないとは不覚でした...。






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ベテラン医師の言うことは聞いておけ!

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先日、受け持ち患者さんの回診をしていると、何となくボーッとしていることに気付きました。居合わせた看護師さんが、検温の際に SaO2が 90%しかなかったと言っています。


ご本人に「息苦しくないですか~」と訊いても「しんどくない」とのことです。しかし、何となく普段と違った印象を受けます...。


脳梗塞があったら嫌だなと思って四肢を診ましたが、自動運動は可能です。何となくボーッとして呼吸機能がイマイチな病態は???


さしあたって胸部CTを撮像することにしましたが、何となく頭部も撮像しておいた方がよい気がしたので、ついでに撮像してみました。


すると、橋出血があるではないですか!!!ビジュアル的に衝撃的な所見だったのですが、なぜか意識障害や四肢麻痺はありません。


後から考えると、何となくボーッとしているのは意識障害の亜型なのかもしれませんが、あの状況で頭部CTを撮像しようと思ったのは我ながら奇跡に近かったです。


定石で考えると胸部CTだけのはずですが、なぜ頭部CTまで撮像したのか? その理由は何となくの胸騒ぎでした。よくベテラン看護師さんの言うことは聞いておけと言われます。


私は忠実にベテラン看護師さんの意見には従うのですが、それはかれらの経験を信頼しているからです。しかし自分の勘も彼らに相当するレベルかも? と思うようになりました。


よく考えると、すでに卒後 20年以上も臨床にどっぷり浸かっているので、自分も「大ベテラン」です(笑)。ベテラン看護師さんだけでなく、自分の胸にも訊いてみよう...。





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非透析末期腎不全症例の補液量

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先日、末期腎不全患者さんの人工骨頭置換術がありました。他院フォロー中の患者さんですが、満床のためにこちらで引き受けました。


すでにシャント造設されており、eGFR 10mL程度しかありません...。ケイキサレートを処方されていたようですが、自己判断で服用しておらず高カリウム血症です。


なかなか悶絶してしまう症例ですが、なんとかせざるを得ない状況です。そこで透析科の医師に相談しました。ここでは備忘録として残します。


まず行うことは、自尿がどれぐらいの量あるかを確認することだそうです。だいたい1日量+500mlぐらいが補液の上限となります。


この方の場合、幸いにも(?)1100ml/日もの自尿がありました。これだけ自尿あれば、カリウムフリーの補液を選択しておけば、通常の補液量でいけそうな感じです。


いつでも透析導入できる体制を確保しつつ手術を施行しました。手術が透析導入の背中を押してしまうことは避けたかったのですが何とかクリアできました。あぁ心臓に悪い...。






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甲状腺機能低下症が見逃されていることもある!

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昨年末に大腿骨近位部骨折の手術を施行した受け持ち患者さんが、この1ヵ月ほどで徐々に悪化しました。具体的には傾眠傾向となり脱水を繰り返すのです。


認知症の患者さんでは、1日の周期が長くなったり、食思不振になるケースを散見します。この患者さんも認知症の一症状が出ていると認識していました。


しかし、覚醒状態だけではなく血圧低下、徐脈、低体温が出現するに至ったため、甲状腺機能を精査したところ、著明な甲状腺機能低下症を認めました。


後追いで検証すると、入院時(受傷時)の ERでも傾眠傾向だったため、頭部CTを施行していました。このことから、その時期には甲状腺機能低下症が存在していたのでしょう。


しかし、この方にはたくさんの基礎疾患があり、これまでかかりつけ内科医師の治療を継続的に受けていました。


甲状腺機能低下症に関しては、私たち整形外科医が治療する時点で、ほとんどの症例で発見・治療されているものと認識していました。


このため、診療録や紹介状をみて甲状腺機能低下症の病名が存在しないと「甲状腺機能低下症は無い」と勝手に思い込んでいました。


ところが今回の症例では、大腿骨近位部骨折を受傷した時点で、甲状腺機能低下症の症状があったにもかかわらずスルーされていたものと思われます。


もちろん、私自身がもっと早い段階で気付くべきだったのですが、内科医師にかかりつけであっても、甲状腺機能低下症が放置されていることもあることを学びました。






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高ナトリウム血症の気付き

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最近、高ナトリウム血症をきたした症例を連続して経験しました。原因はよくわかりませんが、おそらく脱水を契機に併発したものと考えています。


そのうちの 1症例は、169mEq/lもありびっくりしました...。おそらく意識障害があるのでしょうが、高度のせん妄に対する心療内科的治療のために判断がつきません。


担当のベテランの美人看護師さんが「ここ数日活気が無い」「血圧がやや低め」と伝えてくれたおかげ精査することになりました。さすがです...。


ご存知のように、高ナトリウム血症を放置すると昏睡から死に至ります。脱水がベースの高ナトリウム血症は補液で治療しますが、補液の種類には注意が必要です。


脱水症状が前面に出ている場合には 1号輸液から開始しますが、そうでない場合には 5%ブドウ糖液を投与します。患者さんの状態をみながらですが、500ml/日ペースが一般的です。


血液中のナトリウム濃度を急速に下げると、急激な浮腫と脱髄によって重度の脳損傷を引き起こす危険性があるため、
ナトリウム濃度はゆっくりと補正していきます。


幸い、大きな問題なく高ナトリウム血症を補正できましたが、心療内科で本格的に鎮静されている患者さんは、注意が必要であることを痛感しました。






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