整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

スポーツ

シンスプリントは足部を攻めよう!

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先日、運動後左下腿内側痛が主訴の中学生が受診しました。
これだけで、シンスプリントだと考える方がほとんどだと思います。


実際、私が診察したところ、疲労骨折ではなくシンスプリントのようでした。何のひねりもありませんね(笑)。私は治療の理解がイマイチだったので、知識の整理をしてみました。


  1.  運動量を減らす
  2.  アイシング
  3.  ヒラメ筋のストレッチ
  4.  クッション性が良くて踵の安定したシューズの購入
  5.  足底板による内側縦アーチの保持
  6.  足底や足関節周囲の筋力トレーニング



出典はこちらです。日整会が監修しているため間違いはないでしょう。上記の順番は、即効性のあるものから順番に並べてみました。


私が意外だったのは、下腿痛にもかかわらず足部が原因となっていることです。下腿内側に起始して足部に停止する筋群の牽引による脛骨骨膜炎が病態とのことでした。







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野球肘 tangental viewのひと工夫

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先日、内側型の野球肘の患者さんを診察しました。上腕骨内上顆の病変を確認するためには、ご存知のように通常の肘関節正面像は不適当です。下図のように何も所見ありません。



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ところが、肘関節屈曲45度のいわゆる tangental viewでは、しっかりと上腕骨内上顆の裂離骨片(もしくは骨化障害)が描出されます。



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どこの施設でも野球肘では tangental viewが定番です。しかし、ある放射線技師さんから、tangental view撮影時に回外方向に捻ると、更に描出されることを教えてもらいました。



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こんな感じです。今回の症例に関しては通常の tangental view でも問題ないですが、前腕海外方向に捻って撮影した方がはっきりと上腕骨内上顆が描出されます。


野球肘を疑って tangental view を依頼するときには、前腕をやや回外方向に捻って撮影することを放射線技師さんに伝えておくとよいかもしれませんね。







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肘離断性骨軟骨炎に対する保存療法

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日整会誌 92:449-453 2018に、少年野球選手における肘離断性骨軟骨炎に対する保存療法というシンポジウムがありました。肘離断性骨軟骨炎(OCD)のまとめは下記です。



離断性骨軟骨炎の初期や進行期では保存療法の適応となる。初期・進行期では症状の乏しい例が多いが、たとえ無症候性でも投球を中止することが望ましい。


保存療法による修復率は初期で90%、進行期で50%程度であり、病巣修復の確認にはCTの活用が勧められる。


病巣修復が停止したと判断されるのは、小頭や外側上顆の骨端線が閉鎖し、3ヵ月以上画像所見 が変化しない場合で、これらの所見がみられるまでは病巣縮小を目指すべきである。




OCDの病期は、小学生では初期が90%以上を占めますが、中学・高校生では15%程度に過ぎません。OCDの経過は年齢と密接な関係があり、大半は小学生期に発生します。


OCDの病期と骨年齢の関係を調査すると、小頭の骨端線は初期で開存、進行期で癒合中、終末期で閉鎖にそれぞれピークがあり、小頭骨端線の状況も病期判定の参考となります。


OCD 治療の原則は、初期と進行期では保存療法、終末期では手術です。ただし、進行期で病巣修復が遅延している症例では手術、終末期でも症状の乏しい症例では保存治療です。


保存治療の実際は、投球・打撃のみならず腕立て伏せ、重量物拳上、グランド整備や用具の片づけも禁止し、ランナーコーチャーと食事・書字動作のみを許可するそうです。




注意点 1


X 線での完全修復が得られるまで保存療法は継続すべきですが、症状がなくなると患者・家族や指導者は障害が治癒したと勘違いする場合があります。


したがって、医師は現在の状態が治癒過程のどの時点にあるのかを正確に判断し、保存療法継続の必要性について説明することが求められるとのことです。


このあたりを、患者・家族・指導者に納得させることは容易ではありません。判断し説明できるか否かが治療の成否を左右すると言っても過言ではないでしょう。




注意点 2


検診で発見された無症候例に対しても投球を中止することが望ましいと考えられているそうです。無症状なのに厳しい保存治療を施行するのは難しそうですが・・・







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スポーツドクターの講演良かった!

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先日、上尾中央総合病院・スポーツ医学センター長の大塚一寛先生の講演を拝聴しました。大塚先生は、FC東京のチームドクターだそうです。


私は、FC東京と言えばアマラオしか知らないのですが、講演の中では、ポンポンと具体的な選手の名前が出てきたので、サッカー好きには満足な講演だったのではないでしょうか。


さて、日本トップクラスの選手を長年間近で見てきた大塚先生のお話しは、なかなか興味深かったです。


まず、プロスポーツ選手を医学的にサポートするためには、下記3つのアプローチが重要だそうです。

  1.  薬物治療
  2.  アスレチックリハビリテーション
  3.  メンタルヘルスケア


整形外科医は①の薬物治療をメインに据えがちですが、やはりプロスポーツ選手には②のアスレチックリハビリテーション的なアプローチや、③のメンタルヘルスケアも重要です。


あと、一般人とスポーツ選手との治療において注意するべき差異は、ドーピングに対する考え方です。安易に処方するとドーピングで引っかかってしまいます。


特に注意するべき薬物は漢方薬です。感覚的には漢方薬の2/3は、ドーピング検査で陽性になるそうです。特に、葛根湯やヒゲナミンという成分を含む芍薬甘草湯は危険です。


最後は、五月雨式に気付きを記載して本日の結びとします。いや~、本当に勉強になりました。

  • JFLの選手の多くは満身創痍
  • 選手の望みは、痛みなく継続的に試合に出場すること
  • 選手の満足度は、鍼灸>マッサージ>整形外科的治療
  • トップクラスの選手は人格者が多い。ただし、FWは除く
  • ステージママは最悪





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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






坐骨結節裂離骨折

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先日、中学生が右股関節部痛を主訴に初診しました。ダッシュをした瞬間に右股関節の激痛が出現して歩けなくなったとのことです。


このような症例では、骨盤裂離骨折を第一に疑います。ただし、骨盤裂離骨折は主に3カ所あるので、全て網羅するためには単純X線像正面像に加えて両斜位も必要となります。





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今回は少し分かりにくいですが、右坐骨結節裂離骨折です。一見すると坐骨部の骨端に見えますが、左側と比べて坐骨結節部がえぐれていることから骨折だと判断できます。


坐骨結節裂離骨折は、全力疾走や跳躍の際にハムストリングの急激な収縮による力が加わって発生します。実は、私は坐骨結節裂離骨折を初めて診ました。


上前腸骨棘(縫工筋の裂離骨折)や下前腸骨棘(大腿直筋の裂離骨折)は比較的よく見かけますが、何故か坐骨結節は治療したことがありませんでした。



上前腸骨棘や下前腸骨棘裂離骨折では、約4~6週間でジョギング開始、8~12週でスポーツ復帰となりますが、坐骨結節は骨癒合が遅れやすいため、もう少しゆっくりしたペースとなります。




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