整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

アキレス腱

アキレス腱の筋腱移行部損傷に注意!

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先日、走り出そうとしたときに右下腿後面の痛みが出現したという主訴の40歳台男性が受診しました。その数日前から同部位に違和感があったそうです。


アキレス腱のレリーフは確認できますが、Thompson testは陽性でした。圧痛点はアキレス腱停止部から15cm程度中枢です。 また同部位に一致して皮膚の陥凹を認めました。


これらの所見から、下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。筋腱移行部損傷は、ときどき診察する機会があります。


しかし、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節を底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。つまり、下腿三頭筋の筋腱移行部で、それより末梢との連続性が途絶している状態です。


このため、治療はアキレス腱損傷に準じたgravity positionでの外固定を行う必要があります。腓腹筋損傷と思って外固定無しにすると著明な足関節底屈力の低下を残します。


病態はアキレス腱損傷なので、見逃すと陳旧性アキレス腱損傷と同じ状態になってしまいます。治療がかなりやっかいになるので注意が必要です。


私は筋腱移行部損傷を疑う場合は、Thompson testを施行するようにしています。このあたりのピットフォールはあまり教科書には載っていないので注意が必要だと思います。





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石灰沈着性アキレス腱炎

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先日の外来で30歳台の女性が突然のアキレス腱の痛みで受診されました。
診察すると確かにアキレス腱周囲が腫脹しています。発赤はありませんでした。


単純X線像では下図のように踵骨と距骨の間に、少し分かりにくいですが淡い石灰沈着を認めました。アキレス腱周囲に石灰沈着しているようです。



P1080168 - コピー




診断は、石灰沈着性アキレス腱炎です。石灰沈着性腱板炎は、腱周囲から滑液包内に穿破した石灰成分に対する炎症反応です。


今回はアキレス腱周囲から踵骨後部滑液包内への石灰成分の穿破だと思います。身体所見はアキレス腱周囲炎のようにアキレス腱周囲のびまん性の腫脹を認めました。


しかし、通常のアキレス腱周囲炎と異なり、発症が急激で疼痛の度合いが強いです。本当に全身のいたる所で石灰沈着性腱炎は発症するものです。


ちなみに、私が経験した石灰沈着性腱炎 にさまざまな部位に発症した石灰沈着性腱炎のブログ記事をまとめているのでご参考にして下さい。



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大腿四頭筋停止部の痛風発作

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今日の午前は外来でした。
2週間前から誘因なく膝前面の痛みが出現して、痛みが続くという40歳台男性が受診されました。


大腿四頭筋の膝蓋骨停止部に一致して軽度の腫脹・熱感・圧痛・発赤を認めました。単純X線像では石灰化等の異常所見を認めませんでした。


発症時に他院の整形外科を受診したところ、蜂窩織炎を疑われて抗生剤を3日分投与されたそうです。その時の採血結果を持参されており、WBC/CRP 11000/5.1mg/dlでした。


しかし興味深いことに尿酸値(UA)も高値で8.2mg/dlありました。念のため本日も採血して血液生化学データを確認するとWBC/CRP 8000/1.1mg/dlと軽快していましたがUA 9.3mg/dlでした。


経過や検査結果からは痛風発作である可能性が濃厚となりました。一般的には下肢の関節に発症するケースがほとんどですが、ときどき今回のように腱の骨停止部に発症することがあります。


私自身も大腿四頭筋の膝蓋骨停止部の痛風発作は初めて診ましたが、アキレス腱停止部の痛風発作があるくらいなので大腿四頭筋に起こっても不思議ではないと思います。


痛風といえども個人差が大きく、診断するだけでも難しいケースがあることを痛感しました。



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