先日、メディカルトリビューンで興味深い記事がありました。肋骨骨折、エコーで診断したことがある人、手を上げて! です。
離島の総合診療科医師が、肋骨骨折をエコーで診断治療しているという記事です。肋骨骨折に対してエコーを利用することは最近よく耳にします。
整形外科的な感覚では割と斬新なアイデアなので、興味深く拝読しました。純粋な医学知識としてはなかなか楽しい記事です。
しかし、忙しい外来の中で、単なる肋骨骨折に対してここまで施行するか? と言われると、なかなかそういうわけにもいかないことに気付きました。
そもそも、肋骨骨折のほとんどはバストバンドで経過観察するだけで問題なく治癒します。肋骨骨折の確定診断がなくても、実臨床で困ることはほとんどありません。
エコーをコスト計上しているのか否かは存じ上げませんが、グレーだったものを黒というためだけにコストを支払うかと言うと、患者さんの立場では少し微妙かなと感じました。
もちろん、このことは今回の記事を批判しているわけではありません。ただ、整形外科医の立場からすると、少し過剰診療のような気がしたので独りごとを言ってみました。
豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です