整形外科医のブログ

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オプジーボ

場末病院でオプジーボ患者を受けれるのか?

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先日、大腿骨近位部骨折の転院依頼がありました。
ふたつ返事でOKというところでしたが、既往歴を確認すると癌のターミナルです。


しかも、オプジーボを 2週毎に投与中とのことでした...。オプジーボは有名な薬剤ですが、実際に投与している場面に遭遇したことはありません。


何となくオプジーボ投与に対応できなさそうだったので転院をお断りしたのですが、気になったので本当に転院できなかったのかを調べてみました。


まず、この患者さんの場合、オプジーボの薬価だけで月間 100万円近くするようです。なかなか強烈なインパクトがあります。


そして、仮に入院中にオプジーボを投与する際には「最適使用推進ガイドライン」を満たすことをレセプトに記載する必要があるとのことでした。


ガイドラインでは、施設要件としてがん診療連携拠点病院であることが求められています。これ以外にも、医師要件としてがん薬物療法の 3~5年以上の臨床経験の必要があります。


いずれも全く満たしていません。何となく自院ではダメっぽいと感じていましたが、ぜんぜん話にならないレベルでした。下手に受けると全員が不幸になるところでした...。






★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







新抗がん剤が日本を滅ぼす?!

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昨日、興味深いニュースが飛び込んできました。
日経新聞の 薬価、割高なら下げ 効果と見合うか検証 厚労省、18年度から です。





厚生労働省は2018年度から、高額の薬について価格(薬価)の算定方法を見直す。同じような効果を持つ薬を比較して、割高なほうの価格を適切な水準に下げる。


年40兆円にのぼる医療費の約4分の1を占め、高額化の一途をたどる薬剤費を抑える。 非常に高価な一部の抗がん剤などが対象になる可能性がある。英国などを参考に、高い価格に見合う効果があるかという「費用対効果」のものさしを薬価に導入する。






医療の進化で画期的な薬剤が続々と誕生しています。例えば2015年に非小細胞肺癌に公的保険での使用が認められた抗癌剤のオプジーボは、癌治療にパラダイムシフトをもたらしました。


オプジーボは、免疫チェックポイント阻害剤という新しい薬剤です。従来の抗癌剤は癌細胞を直接攻撃しますが、免疫チェックポイント阻害剤は免疫機能を引き出して癌細胞と闘わせます。



しかし、オプジーボの薬剤費は非常に高価で、1人当たり年間3500万円もします。日本の肺癌患者5万人が1年使用したら総額で1兆7500万円(!)もの薬剤費になります。


高額療養費制度によって、自己負担の上限を超える分は全て国の負担です。高額療養費制度の元々の趣旨は、移植手術のように少数患者の生死を賭けた治療に対する援助制度です。


しかし、大量の確信犯的患者さん(=喫煙している人)に対して、延々と毎月とてつもない金額の薬剤費が掛かり続けることは、当初の制度設計段階では想定外でした。



そして、肺癌を治療する専門医主流派の意見は、コストよりも治療優先です。患者さんを目の前にした現場の一医師としては感情的に理解できます。


しかし、年間3500万円以上の価値を社会に還元できる患者さんは、果たして何パーセント存在するでしょうか? 現在の患者さんを制限無く受け入れれば、次の世代を捨てることになります。


このように考えると高額化の一途をたどる薬剤費を抑えることは、次の世代を守るためにも是非実践するべき考え方だと思います。医療費は限りある貴重な資源なのです。


日本赤十字社医療センターの國頭英夫医師は「75歳以上なり一定の年齢になったら、全ての治療を等しく受けない。僕にはそれしか思い浮かばない」とおっしゃられています。


表面的には極論にも聞こえますが、私は傾聴に値する意見だと考えます。社会制度を維持するためにも、コストパフォーマンスを考えて貴重な医療資源を配分するべきだと思うからです。




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