整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

ガングリオン

SLAP損傷に併発したガングリオン

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先日、誘因なく右肩関節部痛が出現したとのことで40歳台の患者さんが受診されました。四十肩ですね~と言って関節注射を施行したのですが、イマイチ症状が軽快しません。


思い切ってMRIを撮像してみたのですが、画像所見をみて驚きました。肩甲骨の棘上窩にガングリオンがあったのです!



555 - コピー



調べてみると、肩関節周囲のガングリオンはSLAP損傷に併発することが多いとのことでした。今回の症例でも後上方関節唇が膨化しているようです。


はっきりと後上方関節唇損傷部からガングリオンが伸びている所見は確認できませんでしたが、おそらく関節外の後上方関節唇損傷部から発生したガングリオンなのでしょう。


これだけ大きいと、肩甲上神経を圧迫して棘下筋の運動麻痺を併発する可能性があります。神経伝導速度検査もしなければなりません...。






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本当はガングリオンだったのでは??

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先日、外来をしていると De Quervain 病の方を診察しました。
もちろん、De Quervain 病自体は珍しくも何ともありません。


しかし、今回の方は橈骨茎状突起部がかなり膨隆していました。ぎょっとする程度ではないのですが、「アレ?ちょっと腫れているな 」 程度には目を引きます。


しかし、De Quervain 病で滑膜炎症の強い患者さんでは、橈骨茎状突起部がびまん性に腫脹することは散見します。今回の患者さんもそのケースに該当するのかなと思っていました。


一応触診してみるとAPLとEPB上に何となく固い腫瘤を触知するような気がしました。 ???と思って丹念に触診すると僅かに可動性のある径10mm×5mm程度の腫瘤のようです。


「 これは、もしやガングリオンでは? 」 と思い、橈骨神経浅枝がイヤでしたが思い切って穿刺してみました。すると、少量のゼリー状の内容物を吸引できました・・・


結論的にはガングリオンによる物理的圧迫が原因のDe Quervain 病だったのです。よく考えると第一コンパートメントには腱鞘があるので、ガングリオンが発生しても不思議ではありません。


しかし、私の比較的長い医師生活で、ガングリオンがこの部位に発生した患者さんを診察するのは初めてです。ふと、本当に初めての経験なのか? という疑念が湧き上がってきました。


今までびまん性の滑膜炎だと思っていた患者さんの何割かは、実はガングリオンであったということは無いのか? という疑念です。


思い返すと、絶対にガングリオンでは無いと言い切れないDe Quervain 病の患者さんが何人か居るような気がしました。もしや、あの患者さんも実はガングリオンではないのだろうか・・・


次回からは橈骨茎状突起周囲が腫脹している場合には、一応ガングリオン併発の可能性も頭の片隅に留めておきたいと思います。



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金正恩氏は足根管症候群だった!

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、”足首にできた水疱の除去手術” を9~10月初旬に受けたというニュースはご存知の方が多いと思います。


ニュースソースによって”嚢胞”や”腫瘍”などの言い回しが錯綜していますが、どうも病名は足根管症候群(Tarsal tunnel syndrome)だそうです。


韓国の国家情報院によると、今年5月に金正恩の左側の足首くるぶしに水疱ができて痛みが激しくなったため、9~10月初旬に欧州の専門医を北朝鮮に呼んで診断を受けたそうです。


診断の結果、足根管症候群だったため、欧州から招聘した専門医から手術を受けたが、高度肥満に加えて過量の喫煙のために再発の可能性があるとのことです。


足根管症候群を来たす原因としてはガングリオンが多いので、ニュースで報道されていた”腫瘍”や”嚢腫”とはガングリオンのことを言っているのかもしれませんね。


それにしても驚いたのは、金正恩氏は北朝鮮の医療スタッフを欧州に送って足根管症候群の治療技術を学ばせているとのことです。


たかが足根管症候群レベルの手術を自国内で賄えずに欧州から専門医を招聘せざるを得ないとは、北朝鮮の医療レベルも末期的だなと思うのは私だけでしょうか?
 


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Mucous Cystの治療で難渋しています

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母趾のMucous Cystで治療に難渋している症例があります。
Mucous Cystは変形性関節症に併発することが多く、手指のDIP関節に好発します。


私が難渋している方は母趾IP関節直上のMucous Cystです。初診時はガングリオンかと思ったのですが、疣贅のように盛り上がっており表皮が薄く自壊するためMucous Cystと診断しました。


通常のMucous Cystは変形性関節症が原因です。このため、関節直上のcyst部を切除するだけでは高率に再発するため、関節固定が必要となるケースが多いです。


しかし、私が難渋している方は、単純X線像上は関節症性変化に乏しくほぼ正常の関節所見です。これでは関節固定する訳にもいかず、自壊を繰り返すので困っているのです。


頻回に自壊すると感染を併発するリスクが高くなるので、そろそろ根治的な治療を考えなければなりません。関節固定まで思い切って施行するか否か決断を迫られています・・・。



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近位指皮線の小さなガングリオン

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今日の午前は外来でした。相変わらず、土曜日の午前中はとても忙しいです。30歳ぐらいの男性が2週間ほど前から右中指の基部に腫瘍を触れるとのことで初診されました。


触診すると確かに中指の近位指皮線下に径5mm程度の可動性のある腫瘤を触知しました。個人的には近位指皮線はガングリオンが好発する部位だと思います。


この部位にできるガングリオンは小さいにも関わらず、痛みをきたすことが多い印象です。径3mm程度でも痛みを訴えるケースもあり、穿刺するべきかを悩むことが多いです。


今日の方は径5mmぐらいだったので、ギリギリ穿刺可能なサイズと判断しました。イソジンで中指の近位指皮線周囲と私の左示指尖端を入念に消毒しました。


そして左示指で腫瘍を触知しながら、慎重に18G針を腫瘍に刺入しました。すると皮膚上にゼリー状の内容物がでてきたのでガングリオンと診断できました。


さすがに5mmよりも小さいガングリオンでは、針を刺入しても外すことがあるので、できるだけガングリオン穿刺術は施行しないようにしています。私の中では5mmが穿刺する最小サイズです。




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