私たち医師は、患者さんから文句を言われたりクレームを入れられることは日常茶飯事です。クレーム予防のため、私もかなり気を使って外来や入院患者さん対応を行っています。


ドクターなんてやってられないな! と思っている方も多いと思いますが、現実にはドクターの何倍もクレームに晒されている部署があります。そう、それはクラークさんです。


彼らは、病院受付なので患者さんの怒りの矢面に立たされます。訳の分からない理不尽なクレームも多いですが、「医師の対応が悪い」という真っ当なクレームも結構多いそうです。



例えば、かなりの数の診断書が医師の手元に回ってきますが、正直言ってこれらの診断書の優先順位は、医師の中では相当低いと言わざるを得ません


直接医療とは関係の無いエクストラ業務という認識だからです。しかし、だからと言って診断書作成を蔑ろにしていると、そのとばっちりを受けるのはクラークさんです。


患者さんの怒りの矛先がどこに居るか分からない医師よりも、目の前に居るクラークさんに向かうからです。う~ん、つくづく損な役回りですね。


しかし、彼らは業務のキャススティングボードを握ることはできませんから、何とか医師を捕まえて診断書を書いてもらうという方法しかありません。


それぐらいしんどい役回りをしているのがクラークさんなのです。もちろん、規模の大きな公的基幹病院では、左団扇の特権階級的なクラークさんが多数居るのも事実です。


ただ、大多数を占める中小病院のクラークさんは厳しい立場に居ます。普段働いていると彼らの立場の弱さを感じることは少ないです。


しかし、なんだかんだ言っても医師は立場が強いので、弱い立場の人のことをかまってあげる必要があります。


診断書依頼があればできるだけ迅速に仕上げる、問い合わせがあればできるかぎり丁寧に対応する等を守るだけでも、劇的にクラークさんの業務が楽になるはずです。


真面目にやっていると、どんどん仕事を振られる危険性はあります。しかし、ある程度業務が増えることは許容して、お互いが気持ちよく仕事できる環境を作りたいものです。


そして、このことは決して綺麗事で言っているわけではありません。弱い立場の人間をかまうことは、院内や組織内での自分の立場を強化することに役立つと思うのです。




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