先日、上尾中央総合病院・スポーツ医学センター長の大塚一寛先生の講演を拝聴しました。大塚先生は、FC東京のチームドクターだそうです。


私は、FC東京と言えばアマラオしか知らないのですが、講演の中では、ポンポンと具体的な選手の名前が出てきたので、サッカー好きには満足な講演だったのではないでしょうか。


さて、日本トップクラスの選手を長年間近で見てきた大塚先生のお話しは、なかなか興味深かったです。


まず、プロスポーツ選手を医学的にサポートするためには、下記3つのアプローチが重要だそうです。

  1.  薬物治療
  2.  アスレチックリハビリテーション
  3.  メンタルヘルスケア


整形外科医は①の薬物治療をメインに据えがちですが、やはりプロスポーツ選手には②のアスレチックリハビリテーション的なアプローチや、③のメンタルヘルスケアも重要です。


あと、一般人とスポーツ選手との治療において注意するべき差異は、ドーピングに対する考え方です。安易に処方するとドーピングで引っかかってしまいます。


特に注意するべき薬物は漢方薬です。感覚的には漢方薬の2/3は、ドーピング検査で陽性になるそうです。特に、葛根湯やヒゲナミンという成分を含む芍薬甘草湯は危険です。


最後は、五月雨式に気付きを記載して本日の結びとします。いや~、本当に勉強になりました。

  • JFLの選手の多くは満身創痍
  • 選手の望みは、痛みなく継続的に試合に出場すること
  • 選手の満足度は、鍼灸>マッサージ>整形外科的治療
  • トップクラスの選手は人格者が多い。ただし、FWは除く
  • ステージママは最悪





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