整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

セフェム系

母指末節骨骨髄炎

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多発骨折でリハビリテーション入院中の患者さんがいます。受傷から1ヵ月経過しているのですが、母指末節骨は開放骨折でした。前医で洗浄後にセフェム系抗生剤を5日間投与されています。


数日前から母指の腫脹・発赤が出現しました。単純X線像では骨融解像を認めず、WBC/CRP 5500/0.44と微妙な数値です。まずは黄色ブドウ球菌をターゲットにしてセフェム系抗生剤の点滴を開始しました。


母指末節骨先端の骨髄炎疑いなので抗生剤点滴まで施行するかどうか迷いましたが、中途半端に内服投与で慢性化するのが嫌なので思い切って点滴投与としました。


どうしても炎症が鎮静化しない場合は切開して骨折部の掻爬をする必要がありそうですが、末節骨に対してそこまで施行した経験はありません。長管骨骨髄炎であれば治療方針で悩むことはないのですが、中途半端な部位なのでどこまで「攻め」の治療を行うか判断に迷うところです。


臨床は終わってみないと正解が分からないので、卒後17年経ってもいつも悩みながらもその時点で最善と思われる方法を選択せざる得ません。少し不謹慎かもしれもせんが、未来を見通せる水晶玉があればいいなといつも思っています。

周術期のセフェム系抗菌薬の投与方法

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先日、人工関節全置換術後の術後抗生剤投与が査定されてしまいました。私は、CEZ 1g×3回×2日間をルーチン的に投与していますが、1日3回は多いと指摘されました。


術後2日間という投与日数が多過ぎるという指摘であれば、反論しにくいので飲まざる得ないです。しかし投与回数への指摘だったので再審査請求することにしました。


再審査請求の文面は下記の如くとしました。


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セフェム系などのβラクタム系抗菌薬は、最小発育阻止濃度(MIC)を超える薬物濃度時間依存性の抗菌薬です(Time above MICタイプ)。したがって、βラクタム系抗菌薬は、MICを超える血中薬物濃度を維持する必要があります。


セフマゾンの半減期は約2.5時間なので、正常腎機能の方において1日2回投与ではMICを超える血中薬物濃度を維持できません。したがって、感染に対して脆弱な人工関節置換術後に対する周術期のセフマゾン投与では、1日3回投与が妥当な投与回数だと判断いたしました。

 

βラクタム系抗菌薬はTime above MICなので、分割投与が原則(1日2回投与よりも3回もしくは4回投与が理想的)です。薬物動態・薬力学に基づいたセフマゾン投与回数の妥当性につき、再度御検討いただけますよう何卒お願い申し上げます。


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CEZの3回/日投与が否定されるのは心外ですが、投与日数に関しては1日(もしくは24時間以内)でもよいかもしれません。これについては私の中で、今後の検討課題です。


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