昨日は、アルバイト先で夜診をしていました。
整形外科の夜診なのですが、外科の創処置の患者さんも受診されます。
昨日は背部の小さなアテロームの方がガーゼ交換で受診されました。
診察すると切開創は径5mmほどで、内部にはまだ少量の膿が貯留していました。
ただ、死腔の範囲は狭いので、これ以上切開を広げる意味は無さそうです。切開しても充分なドレナージを得られそうにないので、どうしようか少し迷いました。
ふと、いつも動物咬創で行っているドレナージ法を思い出しました。これは以前に本ブログ内でご紹介した方法で、安価で非常に有用なドレナージ法だと思います。
今回は、未滅菌の3-0 ナイロンを”こより状”にして、切開創内に差し込みました。創外に飛び出たナイロン糸を未滅菌のテープで皮膚に固定しました。

( 新しい創傷治療 の画像を転載)
この方法は、極めて安価かつ簡単に小さな創でも有効にドレナージできますが、動物咬創の際にしか実践していませんでした。
しかし、小さな汚染創であれば、動物咬創だけではなく感染性アテロームでも有用な方法だと思います。固定概念に囚われず、ちょっと見方を変えるだけで臨床の幅が広がりそうですね。
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ドレナージ
今日の午前は、外来をしていて興味深い発見がありました。
犬に指を咬まれた患者さんが受診されましたが、受傷翌日の創は特に問題ありませんでした。
それよりも私が非常に驚いたのは、当直アルバイトに来ている外科医師がこの患者さんの初診時に施行した処置がとてもユニークだったことです。
指先を犬に嚊まれたため径5mmほどの咬創を形成していました。通常、咬創内を洗浄した後、ガーゼを貼付する処置が多いと思いますが、今回はドレーンまで留置していました。
そして、そのドレーンですが、なんと”ナイロン糸”をドレーン代わりにしていたのです!処置内容は極めて簡単で、3-0 ナイロンを”ブスッ”と咬創内に差し込んだだけです。
ナイロンが10mm程度創外に出るように、残りの部分を短く切ります。そして創外に飛び出たナイロン糸をステリストリップで皮膚に固定していました。
なるほど、極めて安価かつ簡単に小さな創でも有効にドレナージできています。私的にはかなりトリビアだったので、動物咬創を処置する際には私も同様の方法を採りたいと思います。
今回のように他大学や他科の医師の流儀を拝見することは、非常に勉強になります。それにしても、いろいろな場所でさまざまな工夫が日常的になされていることを改めて認識しました。
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2014.10.21 pm14:50 追記
北の整形外科医 様から下記のサイトをご紹介いただきました。
新しい創傷治療
【目次】 → 【動物咬傷】 → 【総論】 → 【咬傷のドレナージ】
今回、私が見たものと同じドレナージ法でした。特に「コヨリ法」が秀逸だと思います。
確かに患者さんは、チクチクして痛いとおっしゃられていました。
あと、固定はステリストリップである必要性は無いですね。
安価な未滅菌の固定用テープで充分です。
貴重な情報を教えていただき、本当にありがとうございました!
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昨日の午前のことですが、海外で脛骨遠位端開放骨折に対して骨接合術および人工骨移植術を受けて、私が抜釘術を行った方が紹介状を携えてひょっこりと外来受診されました。
遠方に出張中だったようですが、月曜日から創部の腫脹と発赤が出現しました。近医を受診して抗生剤を処方されて、水曜日に帰宅とともに当院を受診したそうです。
診察すると下腿前方の術創周囲の腫脹・発赤・圧痛がありました。血液生化学データでもCRP/WBCが上昇していました。緊急MRIを施行したところ、骨折部にFat suppressionで高輝度領域を認めました。
冠状断を脛骨末梢に追っていくと、皮下膿瘍は腐骨および感染性組織に置き換わっていると思われる骨折部の一部に接していました。明らかに脛骨骨髄炎を併発しているようです。
しかし骨折部周囲の骨組織の信号強度は正常だったので、まだ感染は骨折部に限局していそうな印象でした。しかし局所所見ではかなり炎症が強そうなので、周囲の正常な骨組織に感染が波及するのも時間の問題だろうと思いました。
昔、オーベンの先生に言われたことを思い出しました。「握ってから6時間常温で放置した寿司は食べたくないだろう?感染もそれと同じで、発生したらすぐにドレナージするべきだ。」
まずは皮下膿瘍のドレナージが先決なので、局麻下に手術を施行する方向で患者さんと話し合いました。この方は腹の座った方で急な手術にも臆することなく、むしろ一期的な骨髄炎手術も厭わないとおっしゃられました。
こう言われると私としてもその想いに応える必要があります。当日手術も可能な施設なので、午後から骨髄炎手術を急遽敢行することになりました。術前プランニングをする時間的余裕は30分程度しか無かったのですが、MRIと単純X線像で膿瘍と腐骨の範囲を頭に叩き込んで手術に臨みました。
皮下膿瘍を掻爬してから、骨折部の腐骨と人工骨の掻爬に取り掛かりました。腐骨の範囲はほぼMRIどおりで、かなり大きな骨欠損が生じました。最終的な掻爬範囲の判断は、ターニケットを外して骨髄からの出血を認める部位までとしました。
死腔に抗生剤含有骨セメントを充填して手術を終了しました。できることは全てやり尽くしたので、あとは何とか骨髄炎が鎮静化してくれるのを祈るのみです・・・。
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