数日後に骨折の手術予定の方ですが、既往に金属アレルギー(?)があります。以前から貴金属製のネックレスをすると皮膚がかぶれるそうです。
俗に言う”金属アレルギー”は、金属が直接アレルギーを起こすのではありません。金属から溶出した金属イオンが人体のタンパク質と結合して、アレルゲンとなるタンパク質に変質させます。
今回使用予定の内固定材料はチタン製です。一般的にチタンは最も金属アレルギーを惹起しにく素材ですが、金属アレルギー惹起の可能性があるプレートを選択するわけにはいきません。
以前、金属アレルギーのある患者さんにTHAを施行する際に、Smith & Nephew社にインプラントで使用されている金属粉を提供してもらいました。
それ以来、金属アレルギー疑いの方には使用インプラントのメーカーに金属粉の提供を依頼してパッチテストを行うことにしています。これを背部などに貼付して2日後(48時間後)に判定です。
パッチテストで問題無ければ安心してプレートを使用することができます。金属アレルギーの可能性がある方には、器械メーカーに金属粉を提供してもらいましょう。
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パッチテスト
数日後に骨折の手術予定の方ですが、既往に金属アレルギーがあります。以前、歯の詰め物を挿入した際に全身に高度の発疹が出現したそうです。
詰め物を抜去後に軽快したので、金属アレルギーとしては本物である可能性が高いです。患者さんにその処置をした歯科医院に素材について問合をしてもらったところ既に廃業していました。
今回使用予定の内固定材料はチタン製です。一般的にチタンは最も金属アレルギーを惹起しにく素材ですが、金属アレルギー惹起の可能性があるプレートを選択するわけにはいきません。
少し悩みましたが、妙案を思いつきました!以前、金属アレルギーのある患者さんにTHAを施行する際に、Smith & Nephew社にインプラントで使用されている金属粉を提供してもらったのです。
インプラントの金属粉さえあれば、簡単にパッチテストを行うことが可能です。早速、器械メーカーに依頼してプレートの金属粉を手配しました。これを背部などに貼付して2日後に判定です。
パッチテストで問題無ければ安心してプレートを使用することができます。属に言う”金属アレルギー”は一次刺激性接触性皮膚炎であることが多いので今まで見て見ぬフリをしていました。
しかしこれからは、金属アレルギーの可能性がある方には、器械メーカーに金属粉を提供してもらって積極的にパッチテストをしようと思います。メーカーから金属粉をゲットするところがポイントです。
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