整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

プレガバリン

リリカは坐骨神経痛に効果なし?!

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表題違いで恐縮ですが、ケアネットの連載企画【医師のためのお金の話】第4回が本日アップされました。お題は、世界の株式に毎月定額で投資する方法 です。



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第1~3回は、資産形成の総論でしたが、第4回でようやく各論に入りました。要点を簡潔にまとめているので、1分ほどで読了可能です。是非、ケアネットを訪問してくださいね。



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さて本題ですが、m3の海外ジャーナルで興味深い記事がありました。
プレガバリン、坐骨神経痛に効果なし(New England Journal of Medicine)です。




坐骨神経痛患者207例を対象に、プレガバリンの疼痛軽減効果を無作為化プラセボ対照試験で検証(PRECISE試験)。投与8週時における10段階評価(スコアが高いほど痛みが強い)による平均未調整下肢痛スコアは、プラセボ群の3.1に対しプレガバリン群は3.7と両群で差はなかった(調整平均差0.5、95%CI -0.2 - 1.2、P=0.19)。有害事象発生数はプレガバリン群が227件で、プラセボ群の124件に比べて多く、特にめまいが多かった。


【原文を読む】 Mathieson S et al. Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica. N Engl J Med. 2017 Mar 23;376(12):1111-1120. doi: 10.1056/NEJMoa1614292.




これは、ちょっと残念な結果だと思いました。非脊椎医の私としては、できるだけ手術を回避して保存治療で完結したいのが本音です。


リリカはそのための一手段と位置付けていました。ただ、たしかにNEJMの論文の通り、下肢痛に関してはあまり効果が無い印象です。


腰痛に関しては、慢性腰痛はオピオイド+プレガバリンで述べたように、そこそこ効果があります。しかし、腰痛と下肢痛では少し効果に差があるようです。


やはり、下肢痛に対してはEPAを第一選択にして、効果が無ければシロスタゾール、経口プロスタンディン製剤、芍薬甘草湯と進めていくのが王道なのかもしれません。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








慢性腰痛はオピオイド+プレガバリン

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先日、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 運動器外科部長の酒井義人先生による慢性腰痛症の治療に関する講演を拝聴しました。


3ヵ月以上持続する腰痛が慢性腰痛症と定義されており、心理的・社会的な要因も加味されるため、急性腰痛症とは異なる治療アプローチが必要となります。


腰痛診療ガイドラインでは、NSAIDsは推奨度の第一段階に相当します。しかし、慢性腰痛では炎症の急性期ではないため、侵害受容性疼痛といえどもNSAIDsの効果は限定的です。


NSAIDsで効果不十分な場合は、第二段階の弱オピオイドを選択します。トラマドールがよく使用されますが、副作用に注意して慎重に増量していきます。


一方、神経障害性疼痛に対する薬剤であるプレガバリンも慢性腰痛に効果があります。慢性腰痛は侵害受容性疼痛だけではなく、神経障害性疼痛の要素も有することが多いです。


このため、プレガバリンは神経障害性疼痛の要素を有する腰痛に、オピオイドは侵害受容性疼痛の強い腰痛に効果的です。併用することで両薬剤の効果が得られます。


私は、両薬剤の副作用に眠気や嘔気があるので併用していません。しかし、今回の講演を拝聴して考え方を改めました。トラマドール+プレガバリン併用を試してみようと思います。





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急性の手根管症候群?正中神経炎?

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今日の午前は外来でした。6日前に赤ちゃんを抱っこして入浴していたところ、突然左手の激烈な痛みとしびれを発症した若い女性のフォローアップをしました。


この方の初診は今週の月曜日で、初診時には激烈な左母指から環指の痛みとしびれを訴えていました。待合室で気分が悪くなって倒れたほどの痛みだったようです。


手関節の腫脹も軽度認めましたが、発赤はありませんでした。正中神経領域の発汗もあり、決してオーバーに言っているのではなく、本当に気分が悪くなるほど痛かったことが分かります。


神経伝導速度ではdistal latencyの遅延を認めませんでしたが、手関節MRIでは手根管内の滑膜炎を疑う所見を認めました。正中神経もリング状になっており、腫脹しているようです。



CTS 2



一種の手根管症候群であることは間違い無さそうですが、ここまで急激に発症するタイプは経験がありません。血液生化学検査で炎症反応の上昇は無く、化膿性屈筋腱炎ではなさそうです。


症状が激烈だったので緊急手術の要否を検討しましたが、循環障害は無さそうだったので外固定と消炎鎮痛剤およびプレガバリン(リリカ®)処方で経過観察することにしました。


幸い2日ほどで症状が軽快したようで、本日時点で症状はほぼ消失していました。結局、原因が良く分からなかったのですが、何らかの原因で正中神経炎を発症していたのかもしれません。



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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








久しぶりにお会いすると肥えていました・・・。リリカの副作用か?

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今日の午前は出張先での外来でした。THA術後フォローの患者さんが定期健診で受診されましたが、この方には帯状疱疹後神経痛に対してリリカを投与しています。


3ヶ月ぶりにお会いしたところ、ふっくらとされていました。「?」と思ってお伺いすると、何と3ヶ月で5Kgも太ったとのことです!これは噂に聞くリリカのSEのひとつである体重増加なのでしょうか?


ふっくらされているのはお腹周りが中心で、四肢末梢の浮腫は認めませんでした。特に、食欲が亢進しているワケでもないそうです。そこそこの年齢の方で、3ヶ月に5Kgも体重増加することはあまり無いように思います。


ただ、自分の経験上、体重を減らすことは難しいですが、油断をすると簡単に体重は増えてしまいます(笑)。だから、もし自分の立場であればリリカのSEとは言い切れないなと思ってしまうので、判断が難しいところです。


しかし、このまま見過ごすワケにはいかないので、とりあえずリリカの処方を一旦中止しました。次回は体重の推移を観察するため、2ヵ月後に再診の予約しました。


これで体重が元に戻っていればリリカのSEの可能性が高いということになります。リリカを処方する場合には、やはり体重増加の有無もヒアリングする必要があるなと感じました。





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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



繊維筋痛症 (Fibromyalgia)

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繊維筋痛症(Fibromyalgia; FM)は有名ですが、実際に診断した経験がありません。
最近、何名かの方で診断に苦慮する患者さんを診察する機会があり勉強しました。


脊椎関節炎(多発性付着部炎)や乾癬性関節炎との関連も指摘されています。
一応、1990年のACRで下記のごとくの診断基準があります。


・ 広範囲の痛みが3ヶ月以上続いている
・ 全身の18箇所の圧痛点のうち、11箇所以上で圧痛がある


診断基準自体が、かなりアバウトですね・・・。
下記にFMについて解説をしているサイトのリンクをはっておきます。


      繊維筋痛症友の会
      篠ノ井総合病院 リウマチ膠原病センター 浦野先生のHP


いろいろな疾患が含まれている可能性が高いですが、大阪大学の橋本准教授によると30%程度の方に精神科や心療内科の受診歴があるようです。精神疾患合併の可能性にも注意する必要がありそうです。


従来の治療は①NSAID ②SSRI ③SNRI ④抗うつ剤 ⑤ノイロトロピン 等でした。
①⑤以外は、整形外科医 / リウマチ医としては処方しづらいです。


今年の6月からプレガバリン(商品名:リリカ)もFMに伴う疼痛にも適応が拡大されました。
整形外科医 / リウマチ医にとっても朗報ですね。

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