先日の医師のキャリア革命で、東京大学の大谷先生が自治医大の医療用人工知能(AI)の話をされていました。興味があったので調べてみるとホワイト・ジャックというらしいです。
私は先日も記載したように、人工知能に対して結構深刻な危機感を抱いています。今回自治医大が開発したホワイト・ジャックは人工知脳型総合診療支援システムです。
8000万件のカルテ情報を統計的に処理して得られた因果関係を当てはめる作業を繰り返し行い、当てはまった度合いが大きい病名を表示する処理を情報システムが実行しています。
実は、統計処理を行って因果関係を見いだすことは既存技術で問題なく可能であり、ビッグデータを処理するために超高速な環境が必要になりますが、決して人工知能ではないそうです。
つまり、今回の自治医大のホワイト・ジャックは、教師無しで自ら学習を行う深層学習(ディープラーニング)を行っていないので、正確には自分で学習していく人工知能ではないのです。
ただ、ホワイト・ジャックが自己学習可能な人工知能ではないからと言って何の不安解消にもなりません。世界中で人工知能の研究開発がすごい勢いで進んでいるからです。
もちろん、医師の全ての業務が人工知能に置き換わることは考えにくいです。ただ、放射線科や皮膚科の診断領域および生活習慣病を扱う一般内科は確実に置き換わっていくでしょう。
では、整形外科などの手技的な治療が主体の科は、人工知能の影響から無縁で過ごせるのでしょうか? 残念ながら、私は 「否」 だと思います。
人工知能に置き換わってしまった領域で生計を立てていた医師が、人工知能の脅威に晒されていない領域に大量に流れ込んでくることが予想されるからです。
医師の高給は需給関係で維持されているに過ぎないので、避難先の専門性の高い領域は供給過剰状態に陥ります。こうなると需給関係から医師の所得は下がるでしょう。
このように資格系職種で最後の聖域(?)と言わる医師であっても、10年スパンでは安穏とできない状況になりつつあります。やはりモノカルチャーからの脱却を目指すべきではないでしょうか。
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