整形外科医のブログ

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ミノマイシン

化膿性関節炎の経口抗生剤選択

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先日、臨時手術を施行した化膿性膝関節炎の患者さんですが、術後1週間の時点でWBC/CRPとも完全に陰性化しました。非常に良好な経過だと思います。


結局、培養ではMSSAが検出されました。教科書的にはCRP、WBC、ESRが正常化するまで2週間程度は第一世代もしくは第二世代セフェムなどの抗生剤の経静脈投与行います。


その後の経口抗生剤の投与期間に関しては諸説ありますが、第一世代セフェムもしくはペニシリンを感染鎮静化後も3ヵ月程度服用させるという報告が有力だと思います。


ここで問題になるのが、第一世代セフェムの経口抗生剤を採用していない医療機関が多いことではないでしょうか。少なくとも私が勤務経験のある医療機関の多くは採用していませんでした。


フロモックスやメイアクトのような第三世代セフェム以降の経口抗生剤を3ヵ月もの長期に渡って投与することは耐性菌の問題から避けるべきだと思います。


しかし、セフェム系の経口抗生剤はフロモックスやメイアクトしか採用が無いので困ってしまいました。ペニシリン系はどうかと言うと、今回検出されたMSSAの薬剤感受性はPIPCでRでした。


仕方無いので耐性菌を惹起しにくいテトラサイクリン系抗生剤のミノマイシン投与にしました。ミノマイシンは関節リウマチでDMARDsとして使用しているので長期投与も違和感がありません。


このまま感染が再燃しないことを祈りたいと思います。




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抗生剤含有セメントあれこれ

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骨髄炎や人工関節置換術に併発した骨の感染症の治療に際して、抗生剤含有セメントは重要な治療アイテムのひとつです。一昨日の手術の際に過去の手術記録を確認しておさらいしたので、以下にまとめてみます。


まず、使用する骨セメントの種類ですが、重合熱が高いと抗生剤の力価が落ちてしまいます。そこで、できるだけ熱を発生しにくい骨セメントを選択する必要があります。私が知る限りではセメックスが最も適していると思います。



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次に骨セメントに混ぜる抗生剤の選択ですが、私は骨セメント40gに対してバンコマイシン(0.5g)2V+モダシン(1g)1V+ミノマイシン(100mg)0.5Vとしています。MRSA対策にはバンコマイシン、緑膿菌・グラム陰性菌対策にはモダシン、耐性の少なさを期待してミノマイシンという理由です。


これだけの量の抗生剤を骨セメントに混ぜるとパサパサになるので、骨セメントの量を若干間引いた方がいいかもしれません。


次にビーズの形状ですが、抗生剤の周囲組織への溶出スピードの検討から直径7mm程度がベストの大きさです。セメントビーズ作成器も径7mmのビーズを作成するものが多いようです。


ビーズではなく筒状のセメントスペーサーを作成する場合には、中央にK-wireを入れておくと良いでしょう。これは金属の靭性とセメントの引張強度が互いの弱点を相互補完するため、全体の強度が増すと考えられるからです。


これについて整形外科医はあまり指摘しませんが、建物の鉄筋コンクリート造が何故あれだけ強固な躯体となるのかと同じ理屈だと思います。




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