昨日の午後は、ムチランス型関節リウマチの手術でした。
人工母指MP関節置換術+示・中指PIP関節固定術です。


MTXや生物学的製剤の登場で、ムチランス型関節炎(Arthritis mutilans)の発生は減っていると思います。しかし、罹病歴の長い症例では、いまでも悲惨な手指の変形をきたした方を散見します。


手指の変形や不安定性が極めて高度な症例を目の当たりにすると、
手の外科専門医でなければ治療方針の決定に悩むことが多いと思います。


高度の手指変形と不安定性をきたしている症例に対する基本的な治療方針は、つまみ動作の再建です。この目標を達成するために、母指は人工MP関節置換術を、示・中指はPIP関節固定術を施行して、しっかりした制動性を確保します。


示・中指は制動性が重要で、環・小指はグリップ(把持力)が重要です。
したがってPIP関節固定は示指・中指だけで十分なのです。