整形外科医のブログ

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リングピン

珍しい!第5中足骨基部骨折の手術

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先日、第5中足骨基部骨折の手術がありました。
第5中足骨基部骨折の手術など、私の長いキャリア(?)の中でもほとんど記憶にありません。


ほとんどの症例は保存治療で充分に骨癒合を獲得できますが、今回の方は基部骨片が90度飜転していました。これでは骨癒合しそうにありません。


短腓骨筋腱に引っ張られての転位なのでしょうが、モロに皮下に骨片を触れていました。さすがに手術療法の適応だと思います。


手術のアプローチは、比較的容易です。皮膚を切開すると直下に基部骨片があります。ただし、固定方法は熟慮する必要があります。短腓骨筋腱による牽引が思いのほか強力だからです。


AOの教科書にはスクリューを1本挿入する方法や鋼線締結法が紹介されていますが、いすれもちょっと微妙な感じです。


スクリューのみの固定では固定力に問題があります。また鋼線締結包では短腓骨筋腱のマイクロモーションで鋼線が抜けてきそうな気がします。


結局、リングピンを用いての固定になりましたが、合うサイズがなかなかありません。ナカシマメディカルのリングピンは1本531円と安いのですが、第5中足骨には長すぎます。


他社製品では、かろうじてAimedic MMTのAI wiring systemは長さ40mmからありますが、1本10万円近くする(!)というシロモノです。


悩ましいですが、安全第一に考えてAimedic MMTのAI wiring systemになりました。ありふれた骨折ですが、ありふれた手術ではない第5中足骨基部骨折。少々難しいです。
 




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膝蓋骨下極骨折はヒヤヒヤです

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先日、膝蓋骨下極粉砕骨折の手術を施行しました。CTでは下極骨片が粉砕していましたが、骨膜の連続性があるから通常の鋼線締結法でOKと判断しました。


術前 - コピー



しかし、実際に骨折部を展開すると下極骨片は文字通りバラバラに粉砕していました・・・。小児のスリーブ骨折とは少し違いますが、固定性をあまり望めない点では似ていると思います。


幸い、膝蓋腱の起始部と膝蓋骨下極の皮質骨との間の連続性はありました。下極骨片自体は皮質骨も含めて粉砕していたものの、何とか軟鋼線で押さえ込むことができました。


術後 - コピー



鋼線締結法終了後におそるおそる他動的に膝関節を屈曲したところ、骨折部は安定していたため一安心しました。やはり膝蓋骨下極に近い骨折はひやひやしますね。


通常の膝蓋骨骨折では私はナカシマメディカルのリングピンを利用しています。しかし、今回は下極骨片から逆行性に刺入する必要があるので、久しぶりにK-wireを使用しました。


中枢骨片からリングピンを用いて下極骨片まで刺入しても良かったのですが、ターゲット(膝蓋骨下極)が小さいので、手術時間を短縮するためにも逆行性の方が有利という判断です。




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膝蓋骨骨折: リングピン使用時の工夫

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先日、膝蓋骨骨折に対する骨折観血的手術を行いました。
膝蓋骨骨折はポピュラーな骨折ですが、下極近くの粉砕骨折だったので少し緊張しました。


骨折治療はロッキングプレートの登場などもありどんどん進化していますが、膝蓋骨骨折では今でも鋼線締結法に勝る治療方法は無いと思います。


私は膝蓋骨骨折の手術では、ナカシマメディカルのリングピンを愛用しています。リングピンのメリットは中枢側で絶対に軟鋼線が脱転しないことです。この安心感はK-wireでは得難いです。


しかし、この安心感と引き換えにリング内に軟鋼線を通すことは比較的難しいです。私は16Gのサーフロー針を使用して1.2mmの軟鋼線をリングピンに通しています。


まず、透視下に側面像で膝蓋骨にリングピンを刺入します。次に電気メスを用いて膝蓋骨中枢端を直視下に展開します。そして、リングが膝蓋骨中枢端に接するまで刺入します。


この段階で16Gのサーフロー針を大腿四頭筋側方から刺入して2本のリングの間を通すのです。16Gのサーフロー針なら1.2mmの軟鋼線を外筒の中に通すことが可能です。


サーフロー針を利用することで、リング内に軟鋼線を通す手間が大幅に軽減されます。リング内に軟鋼線を通すことが苦手な方は、一度サーフロー針を試されたら良いかもしれませんね。



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膝蓋骨骨折に対する鋼線締結法

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昨日の午前は、膝蓋骨骨折に対する骨折観血的手術でした。
骨質も良く、単純な横骨折で問題の無い症例でした。


最近、膝蓋骨骨折に対する鋼線締結法では
リングピンを愛用しています。
これはナガシマメディカルのもので、径2.0mm・長さは80mmまであります。


従来の鋼線締結法ではU字状に曲げたK-wire先端を確実に骨内に刺入するために、近位側のK-wire刺入部は膝蓋骨が見えるまで大腿四頭筋腱をスプリットして直視下に確認していました。


しかし、リングピンの場合にはsuture wireが脱転する心配は無いため、この作業がおろそかになりがちです。そしてこの作業をしっかりしないと、リングの位置が膝蓋骨から少し離れてしまいます。


これ自体は臨床的にはさほど大きな問題にならないですが、術後単純X線像での見栄えが悪いので、少しくやしい気持ちになってしまいます。


鋼線締結法を施行する際には、リングピンといえども骨刺入部をしっかり確認するべきですね。


鋼線締結法でのリングピンの有用性

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昨日の午後は膝蓋骨骨折の手術でした。
膝蓋骨骨折の骨接合術は、ほとんどの症例で鋼線締結法(tension band wiring)が行われていると思います。


鋼線締結法は固定力が非常に強固なのですが、結構手数が多くて面倒なのが難点です。そんな鋼線締結法ですが、ナカシマメディカルのリングピンを用いることでシンプルな手術に早変わりします。


リングピンは償還価格が531円で、当院への納入価は451円です。1本450円程度なので、それほど価格を気にすることなく使用することが可能です。ちなみにリングピンとセット販売されているケーブルは償還価格が58200円で、当院への納入価格は49470円です。


したがって、この高価なケーブルは使用せずに1.2mm 軟鋼線で代用しています。本来、ナカシマメディカルとしてはケーブルを売りたいのでしょうが・・・。


膝蓋骨骨折に限らず、肘頭骨折や足関節内果骨折等の鋼線締結法が行われる骨折ならどこでも応用可能です。
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