今日の午前中の手術は人工股関節全置換術(THA)でした。
小柄な方だったのでカップの操作を若干やりにくかったです。


通常、カップのリーミングは目指すべき設置角度(外側傾斜角40度、前方開角20度)で行います。私も、カップの設置角度を前方開角20度にすること自体には異論はありません。
しかしリーミングの角度に関しては、全例で前方開角を20度にすると掘削方向が正中から外れるリスクがあると考えています。


寛骨臼の前方開角は平均すると20度前後ですが、なかには10度や30度の方もいます。
仮に寛骨臼の前方開角30度の方に20度でリーミングすると、寛骨臼前方がより掘削されます。
反対に寛骨臼の前方開角10度の方に20度でリーミングすると、寛骨臼後方がより掘削されます。


したがって私は術前CTで寛骨臼の前方開角を測定しておき、その角度でリーミングするよう心掛けています