今日の午前の手術は人工股関節全置換術(THA)でした。
普通のOAですが、男性だったので骨質が硬くてリーミングが大変でした。


若年者や男性では骨質が良好なため、リーミングの際になかなか掘削できないことがあります。
特に48mm前後の最もリーマーの使用頻度が高いと思われるサイズでは、刃が鈍っているのかリーミングできないことが多いです。


このような場合、昔はフ~フ~言いながら汗だくで渾身の力を込めてリーミングしていました。
もちろん、今でも汗だくでリーミングする場合がありますが、ある工夫により少しスマートになってきました。


その工夫とは、下記の2点です。
① 軸方向にのみ掘削するのではなく、リーマーの柄をぐるぐる回しながら寛骨臼内をいろいろな角度から掘削する
② 8mm丸ノミを用いて寛骨臼の硬化した表面に、7~8ヵ所の切り込みを入れる


これらの工夫により硬化した表面の骨にリーマーの刃が引っかかりやすくなり、スムーズに掘削できるようになります。ただし、リーミングの技術が充分でない時期に、激しく①を行うことはお勧めしません。あらぬ方向にリーミングしてしまう危険性があるので、慣れないうちは注意が必要です。