先日、とある病院で人工股関節全置換術(THA)の執刀を行ってきました。
この病院では年間のTHA施行症例が0~1でほとんど実績がありません。
このため、スタッフもTHAの経験がほぼ皆無の方ばかりでした。この状況でTHAを施行するには、やはり事前の入念な下準備が必要です。
また、事前準備はもちろんのこと、術中もできるだけシンプルな手術を心掛けています。凝ったことは行わず、アプローチは後外側で後方の軟部組織は梨状筋温存のみに止めます。
ステムはヨーロピアンタイプのwedge taperを選択して手堅く行います。とにかくいたるところに目を光らせる必要があるので、手術そのものはシンプル・イズ・ベストです。
あと、今回は使い慣れた3種類のレトラクター(前方・後方・上方用)を持参しました。THAにおいては、レトラクターの選択が手術の難易度にかなりの影響を与えます。
これは自分の手技が頻用しているレトラクターに最適化していることが原因だと思います。アウェーの地で使い慣れたレトラクターが出てくると、少し懐かしい気持ちになります(笑)。
アウェーで手術をすることは、招く側・招かれる側とも得るものが大きいと思います。ただし、ホームで当然のこともアウェーでは当然でないことが多いので、入念な準備が必要だと思います。
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人工股関節全置換術
レトラクター
昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
高度の肥満で、皮膚から筋膜まで5cm以上あるような方でした。
このような方の場合、展開が難しいだけでなくインプラントを設置する際にも苦労します。例えばカップを挿入するときに、皮下脂肪がカップ表面に付着してしまうのです。
ベッタリと脂肪組織などの軟部組織がカップ表面にくっつくので、寛骨臼とカップの間に軟部組織が介在することになります。カップへのbone ingrowthに悪影響がありそうで気持ち悪いです。
また、カップ表面に軟部組織が付着するだけならまだしも、カップ表面は摩擦係数が大きいので軟部組織内にカップがトラップしてしまい寛骨臼内に挿入できないこともしばしばあります。
このようなカップ挿入時のトラブルを防止するために、レトラクターをカップと軟部組織の間に挿入してラダーのように使います。レトラクター上を滑らせてカップを挿入するのです。
もちろんカップ表面とレトラクター表面は金属なので、滑らす際に金属同士が接触するのは気持ち悪いです。しかし大量の軟部組織がカップ表面に付着するよりはマシだと思っています。
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