整形外科医のブログ

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ロッキングスクリュー

いわゆる、「 オムツ骨折 」に対する手術治療

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昨日の午後は、大腿骨顆上骨折に対する骨折観血的手術でした。
寝たきりで股関節および膝関節の屈曲拘縮をきたしている超高齢者の方でした。


このような方は廃用のため、全身の関節が拘縮しています。そのためオムツ交換などの際にスムーズに開脚できないことが原因となって、大腿骨近位部骨折や大腿骨顆上骨折をおこしてしまいます。介護の現場ではこのような骨折を『 オムツ骨折 』と呼ぶそうです。


普段から拘縮をつくらない介護を行うのが予防方法と言われていますが、実際の現場ではなかなかそんなキレイごとは通用しないと思います。そして、発生してしまった骨折は我々整形外科医が治療せざるえません。


このような骨折をおこす方は、高度の骨粗鬆症であることがほとんどです。ギプス固定などの保存治療も、手術治療を選択するのも難しいため、頭を抱えてしまいます。単純X線像ではほとんど皮質骨が無いことが多いため手術を行っても十分な固定力を得られませんが、保存治療では骨折部の褥創や偽関節を高率に併発します。


昨日の手術は、このように大腿骨の皮質骨がほとんど確認できないような方でしたが、ロッキングプレートで内固定したところ及第点と思われる固定力を得ることができました。ロッキングプレート/スクリューの登場で、高度の骨粗鬆症症例でも治療可能になったのだなと改めて感じました。

脛骨高原骨折に対する関節内骨折観血的手術

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今日の午前は脛骨高原骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
CTで3方向の再構成をしたところ、外顆の後方1/2のみ陥没しているタイプでした。


脛骨外顆の後方のみ陥没している骨折はあまり診たことが無かったのですが、前方から関節包切開しても意味が無いので、今回は腸脛靭帯の後方から外側関節包を切開しました。


脛骨高原骨折は比較的ありふれた骨折ですが、意外に良好な臨床成績を得ることが難しい骨折のひとつだと考えています。本日使用したのはシンセスの左用L型バットレスプレートですが、はっきり言って日本人の体格や脛骨の形状に合っていません。どうしてもL字の前方カドの部分が、骨から出っ張ってしまうのです。


また手術手技自体が結構難しく、なかなか陥没した関節面を過矯正になるまで挙上できません。私の場合は、ボーンインパクターの叩打しながら慎重に挙上していきます。エレバトリウムや平ノミを使用して用手的にゆっくり挙上する医師もいますが、軽い叩打を連続して挙上する方が骨片の挙上・整復は容易であるように思います。


もちろん、内固定材料が進化しているのは事実です。昔は挙上した関節面を保持するためのスクリューとして、6.5mm cancellous screwを使用していましたが、今ではロッキングスクリューを選択可能です。ロッキングスクリューならバックアウトしてくることも無いため安心です。


しかし、他の部位とちがって、脛骨高原骨折に関しては決定版といえるほどの内固定材料が無いのが現状です。メーカーの方にはがんばってもらいたいところですね。


※ 手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するホームページからダウンロード可能です。

ただし、
手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします


上腕骨骨幹部骨折に対する髄内釘

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今日の午前は、上腕骨骨幹部骨折に対する骨折観血的手術でした。
高齢で骨質の悪い方だったので、髄内釘を選択しました。


骨折型は螺旋骨折だったので、本来ならプレート固定を選択した方が良かったのかもしれません。しかし、プレート固定は広範に術野を展開する必要があるため、あまり良いイメージが無かったこともあり髄内釘としました。


しかし、かなり長い螺旋骨折だったため、遠位3本のスクリューのうち、1本が骨折部にかかってしまいました。あとの2本が効いたので何とか固定性を保てましたが、結果的にはロッキングスクリューを用いたプレート固定の方が良かったかなと思いました。


今回の反省点は、遠位側に刺入するスクリューの部位を骨折部と対比させて正確に診断しきれていなかったこと、およびネイルは肘頭窩よりも15~20mm中枢までしか挿入できなかったことです。


骨折が肘頭窩から7-8cmまで及んでいる症例では髄内釘は避けた方が無難だなと思いました。





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大腿骨顆上骨折のロッキングプレートによる固定術

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今日の午後の手術は、大腿骨顆上骨折でした。
大腿骨顆上骨折は大腿骨頚部骨折と比べて症例も少なく、術後の免荷期間が長いため難易度が高い骨折です。


ロッキングプレートが出てくるまでは、逆行性の髄内釘ぐらいしかなかったため、良い成績はあまり見込めませんでした。そういう意味では、シンセスのロッキングプレートは革命的な内固定材料といえます。ただ、いくらロッキングプレートが比較的強固な固定性を得ることができるとはいえ、膝関節拘縮はほぼ併発します。


実際の手術手技ですが、牽引手術台を使用する方法としない方法に分けることができます。

牽引手術台を使用する場合は、顆部が過伸展位になりがちです。まず側面像で大腿骨骨幹部のやや後方にプレートが位置するようにし、顆部にロッキングスクリューを7本挿入します。次に、ローマン等でプレートの中枢側を大腿骨の長軸に合わすことで過伸展を矯正することが可能です。


顆部の整復を要する場合は、牽引手術台を使用しないで手術を行います。この場合、側面のアライメントは問題無く整復できますが、正面のアライメントが不良となりやすいです。したがって特に最初のスクリューを顆部に刺入する際に正面像で顆部と骨幹部のアライメントを確認することが重要です。


牽引手術台を用いると手術が楽なので、私は基本的には牽引手術台を使用します。





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