昨日の午後は、脛骨高原骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
脛骨高原骨折では各種プレートが販売されていますが、決め手となるプレートがありません。
この理由は、プレートの形状が相変わらず日本人に合っていないためですが、ロッキングプレートを使用できるようになったことは手術成績の向上につながっていると思います。
脛骨高原骨折(特にsplit depression)ではbuttress法によるプレート固定が教科書的に推奨される術式です。しかし、プレートの形状が合っていないことが多いため実際的ではありません。
それでもロッキングプレートを使用できなかった時代には、四苦八苦してbuttress法に準じて手術を施行していました。しかし、ロッキングプレートの登場で様相が一変しました。
必ずしもbuttress法に準じなくても、脛骨高原骨折の整復固定が可能になったのです。具体的には、関節面を整復した後に脛骨近位側のロッキングスクリューを全て刺入します。
その後、膝内反ストレスと牽引を掛けながら骨幹部を固定するのです。橈骨遠位端骨折に対する掌側プレート固定と同じようなイメージで、ロッキングプレートを中和プレートとして使用します。
尚、手術はほぼ透視下で施行しています。関節包を切開して直視する従来の方法は、半月を切離しても充分な視野を得ることができないことが多いので透視下でも充分かなと思っています。
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AO法骨折治療
ロッキングプレート
今日の午後の手術は、大腿骨顆上骨折でした。大腿骨顆上骨折は、大腿骨頚部骨折と比べて解剖学的に良好な固定性を期待できないため難易度が高い骨折だと思います。
シンセスのロッキングプレートが登場するまでは、逆行性髄内釘ぐらいしか無かったため、あまり良好な治療成績を見込めませんでした。ロッキングプレートは革命的な内固定材料なのです。
現時点ではロッキングプレートが大腿骨顆上骨折の第一選択の内固定材料だと思います。実際の手術手技ですが、牽引手術台を使用する方法としない方法に分けることができます。
私は、手技が容易なので牽引手術台を使用することが多いです。さて、麻酔を導入した段階で牽引手術台に載せますが、この際にあらかじめ透視下にプレートの選択をします。
LCP DFは5穴から13穴までありますが、たいてい7穴前後のプレートを選択することになります。まず、プレートの入った箱ごと透視します。そして最適な長さのプレートを選択するのです。
更に、プレートを大腿骨外側に置いて正面から透視しながら、関節面・骨折部・プレート中枢端を皮膚上にマーキングします。側面像でも透視しておくと皮切の部位を間違えません。
術中の手技のポイントはこちらにまとめているので、ご参考にしてください。転位が高度な大腿骨顆部の粉砕骨折以外は、基本的に牽引手術台をお勧めします。
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先週の金曜日に脛腓骨遠位端骨折の抜釘術を行いました。
術後1年程度なのですが、脛骨はロッキングプレートでした。
通常のプレートであれば、スクリューが折損したり六角穴が潰れてもプレートを抜去できないことは無いですが、ロッキングプレートの場合には、スクリューが1本でも抜去できないとプレートも抜去不能となります。
したがって、従来以上の注意が必要となりますが、抜釘時のスクリュー折損はある一定の確率で発生します。このような場合に活躍するのが、折損スクリュー抜去セットです。
これを準備しているか否かでは、折損発生時の対応方法が大きく異なります。先週の症例でもスクリューが既に折損していましたが、折損スクリュー抜去セットを準備していたので数分で抜去できました。
尚、折損スクリュー抜去セットには下記状況に対応できるデバイスが揃っています。
① スクリューの六角穴が潰れた時
② スクリューが折損して先端が骨内に残った時
事前に使用方法を予習しておくと、スクリューが折損するトラブルが発生してもスムーズに対応できます。特にロッキングスクリューの抜釘時には必須のアイテムだと思います。
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昨日の午後の手術は、大腿骨顆部粉砕骨折でした。
顆部骨片が内外顆骨片および外顆が前後に骨折している粉砕骨折でした。
大腿骨顆上骨折はロッキングプレートの登場で治療成績が向上しています。ロッキングプレート(LCP-DF)はシンセスにしては珍しく使用し易い内固定材料だと思います。
※ シンセスはイノベーションを引き起こしますが、商品改良の点で難アリだと思います
顆部骨折ではありますが、リガメントタキシス(ligamentotaxis)を期待して、牽引手術台を用いて手術を行いました。牽引手術台を使用する場合は、顆部が過伸展位になりがちです。
まず側面像で大腿骨骨幹部のやや後方にプレートが位置するようにし、顆部にロッキングスクリューを7本挿入します。次に、ローマン等でプレートの中枢側を大腿骨の長軸に合わすことで過伸展を矯正することが可能です。
牽引手術台を用いると手術が楽なので、私は基本的には牽引手術台を使用します。しかし牽引手術台に載せてみて整復が充分に得られない症例では、躊躇せずに通常の手術台に戻す必要があります。
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先日、出張先の病院で見た症例なのですが、鎖骨遠位端骨折に対してロッキングプレートによる固定を施行したところ、術後1週で遠位骨片のロッキングスクリューが脱転して再転位していました。
鎖骨遠位骨片自体の粉砕は無く骨質も悪くはなかったそうですが、4-5本のスクリューごと脱転したようです。私はクラビクルフックプレートしか使用経験がないので今まで比較できなかったのですが、ロッキングプレートといえども固定力不足のようです。
やはり鎖骨遠位端骨折に関しては、フックの有無が重要なポイントのようです。私の個人的な意見なのですが、小骨用のロッキングスクリューの固定性はあまり信用していません。
具体的に言うと、上腕骨顆部、腓骨遠位端、鎖骨遠位端にはロッキングプレート&スクリューはできるだけ使用しないようにしています。上腕骨顆部に関しては選択の余地が無いので仕方なく使用しますが、鋼線締結法を併用することも多いです。
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