東京女子医大の男児事件に思う のつづきです


その病理医がおっしゃられるには、最近(ここ10年ほど)の風潮として臨床経過から予想されなかった突然死に関しては、基本的にまず警察に届け出る方が無難とのことです。


事件性の有る無しを判断するのは警察であって医師ではないという考え方がベースにあります。もちろん、医学的知識の無い警察がどこまで正確に判断できるのかは甚だ疑問です。


しかし、社会の風潮(?)がその方向に流れているので、医師としてはます警察に届け出て、事件性の判断を警察に仰ぐ方が無難とのことでした。


そして、警察が事件性有りと判断すれば司法解剖に、事件性が低いと判断すれば必要に応じて病理解剖を依頼するという流れが、現時点では最もリスクが低いそうです。


もちろん、これは病理医サイドの見解であり、医療訴訟に巻き込まれたくないという気持ちが透けて見えます。それでもこのあたりの流れは一般整形外科医も理解しておくべきでしょう。


勤務先(開業医なら自院)によって、地域で果たす役割・状況・患者層が大きく異なります。したがって突然死=異状死と捉えて、全例を警察に届出するのは現実的ではありません。


自分の勤務先に異状死の判断を任せられる医療事故委員会等があれば問題ないですが、基幹病院以外では常設の医療事故委員会等は機能していないことが殆どだと思います。


したがって、不幸にして突然死が発生した場合の異状死の判定基準や判定方法等を、その医療機関に応じて予めシュミレーションしておいて損はないと思いました。



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