3月中旬頃に、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折の方が入院されました。今回の方は、他院での再置換術後15年の方で、バンクーバー分類 type B1でした。
大転子が偽関節になっていることに加えて、大腿骨近位のbone stockが極端に少なく極めて骨質が不良でした。画像上はなかなか厳しい人工関節症例です。
側面像でようやく骨折を確認できる程度であったこと、骨質が極めて不良であったこと、および80歳台後半だったことから下記による保存治療を選択したことは前回にご報告しました。
① 股関節外転装具(30度に固定)
② PTH投与
③ 電気刺激
祈るような気持ちで経過観察したことろ、受傷後3週で仮骨形成を認めました! そして、その後もどんどん骨癒合が進展して、受傷後2ヵ月で荷重を開始しました。
80歳台後半の高齢の方だったので、廃用が心配でしたが、立位訓練 → 平行棒内歩行 → 歩行器歩行と順調に進み、ポータブルトイレも見守りで可能となりました。
現在、受傷後3ヵ月ですが、受傷前に比べるとやや劣るものの、それなりに身の回りのことは自立できるレベルに到達することができました。
今回のケースは、手術治療ではなく保存治療を選択して良かったと思っています。もちろん、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折はシビアなケースが多く、保存治療の適応は少ないです。
しかし、全例「 人工股関節全置換術後ステム周囲骨折 = 手術治療 」ではなく、患者背景や骨質などもトータルで勘案することfで、保存治療を選択できる可能性もあることを学びました。
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AO法骨折治療
人工股関節全置換術後ステム周囲骨折
3月中旬頃に、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折の方が入院されました。
今回の方は、他院での再置換術後15年の方で、バンクーバー分類 type B1でした。
大転子が偽関節になっていることに加えて、大腿骨近位のbone stockが極端に少なく極めて骨質が不良でした。画像上はなかなか厳しい人工関節症例です。
側面像でようやく骨折を確認できる程度であったこと、骨質が極めて不良であったこと、および80歳台後半だったことから保存治療を選択したことは前回ご報告しました。
① 股関節外転装具(30度に固定) ② PTH投与 ③ 電気刺激 の3本立てで、祈るような気持ちで経過観察したことろ、受傷後3週で仮骨形成を認めました!
受傷時
受傷後3週
受傷後2週を過ぎた頃から体動時の疼痛が軽減したため勝利を予感していましたが、これだけ骨質が不良であるにも関わらず受傷後3週間で良好な仮骨形成を認めたのは意外でした。
やはり、② PTH投与 ③ 電気刺激 が効いているのかもしれません。いきなり離床させるのは怖いので、もう少し様子をみようと思いますがが、何とか保存治療で治癒しそうでひと安心です。
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股関節学
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