整形外科医のブログ

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伸筋腱損傷

外科医が縫合した腱損傷をどうするか?

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今日の午前は出張先での外来でした。
連休明けなので休み中に救急受診された患者さんの残務処理が多かったです。


その中に母指伸筋腱損傷の方が居ました。この方はガラス片で母指基部を切創したのですが、当直の外科医が対応しました。カルテには伸筋腱も縫合したという記載がありました。


整形外科医が対応したのであれば、何の心配も無く外来フォローできます。しかし、外科ドクターだったのでどのような腱縫合を施行したのか少し不安になりました。


カルテにも「津下法やケスラー法で腱縫合した」という記載はもちろんありません・・・。一応、本日の時点では母指伸筋腱の緊張も保たれているようです。


もちろん、当直に来られていたアルバイトの外科ドクターに連絡を取ることを試みましたが、連休明けの極度に忙しい午前中に捕まるハズがありません。


いまさら創を開けて腱の状態を確認するわけにもいかないのでどうしようか少し悩ましたが、このまま母指伸展位固定で経過観察することにしました。


外来が終了してからこの対応で問題無かったかを振り返りましたが、やはりこれ以外の方法を思いつきませんでした。もし創を開けて腱縫合が問題無ければ、患者さんの不利益になりますから・・・。


経過の途中で再断裂してもその時点で気付けば、腱再縫合もしくは腱移行で充分に対応できます。このことも創を開けずに母指伸展位固定で経過観察することにした理由のひとつです。


外来をしているとイレギュラーなことが頻発します。このようなことは教科書には載っていないので、状況を見て柔軟に対応できるよう常に心掛けなければならないなと思いました。




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他科の医師が伸筋腱損傷を診断するポイントは?

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昨日は午後から小指伸筋腱損傷の手術を行いました。
この方は、1週間ほど前に他院を救急受診して救急医によって皮膚縫合を受けていました。


週末に診療情報提供書を携えて私の外来を受診したのですが、どうも小指の伸展力が弱かったのです。紹介状にも専門外なので腱損傷の有無をはっきりとは確認できていないことが明記されていました。このように正直な診療情報提供書には好感を持てますし、実際的に前医には何の落ち度も無いと思います。


intrinsic muscles(手内在筋)があるので、伸筋腱損傷があっても手指のPIP関節とDIP関節の伸展は可能です。MP関節のみ完全伸展できないのですが、他科の医師が身体所見のみで伸筋腱損傷の有無を判別することは困難でしょう。


エコーで確認すればよいという意見があるかもしれませんが、これも整形外科専門医でなければ判定は困難と思われます。確かにエコーを施行すると腱断裂部を確認できましたが、関節リウマチの診断で伸筋腱を観察する機会が多いから可能なのです。


他科のドクターに伸筋腱損傷の診断に関してのアドバイスがあるとすれば、仮に伸筋腱が断裂していても手内在筋の働きで、手指はある程度伸展できる点かなと思います。そうは言っても他科の医師が自信をもって診断するのは相当難しいでしょうね・・・。




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