整形外科医のブログ

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偽関節

足趾骨折の診断は慎重に!

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外来をしていると、足趾の打撲で受診される患者さんを診察する機会が多いです。
病院に来るぐらいの疼痛なので、高率に足趾骨骨折を受傷されている印象です。


しかし、足趾は個人差が大きく、外側の足趾ほどバリュエーションに富みます。特に末節骨と中節骨が癒合しているケースをよく見かけます。


このような末節骨と中節骨が癒合している患者さんでは、骨折なのかもともとあるDIP関節なのかの判断に苦しむことがあります。このような時には健側と比較すれば解決しそうです。


しかし、右側の第4足趾は末節骨と中節骨が癒合しているが、左側の第4足趾は末節骨と中節骨が独立しており、DIP関節が存在している方も散見します。


このようなケースでは、やはり基本に戻って患者さんの身体所見を中心にして骨折の有無を診断することがベストだと思います。


足趾末節骨骨折は意外と偽関節化することが多い印象です。偽関節化しても疼痛が残存することは少なく、適確に診断するか否かに関わらず治療成績は変わらないことが多いですが・・・。



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大腿骨転子部骨折後のFHR

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昨日の大腿骨転子部骨折後偽関節のつづきです。診断に関しては、ショートネイルが入っている状態でも、意外とCTを撮影することで偽関節の診断が可能なことをお伝えしました。


次に問題になるのは手術ですが、基本的には通常の人工骨頭置換術やTHAよりもかなり難しいです。revision THAほどではないですが、それに近い感覚かもしれません。


まず、ネイルの抜釘ですが、刺入部の表面は骨に覆われていて分かりにくいことが多いです。この場合には、まずラグスクリュー刺入部を展開してドライバーを挿入します。


ドライバーの方向からネイル刺入部位を推定します。そして、その部分をk-wireでドリリングして位置を探ります。k-wire先端に金属が当たる部位を切除するとネイル刺入部を展開できます。


一般的にネイルは大転子頂点から挿入されているので、大転子が菲薄化して強度が弱くなっている可能性があります。このため、術中操作では細心の注意を払う必要があります。


基本的に、セメントレスステムが前提の場合にはS-ROM-Aでの対応が望ましいと思いますが、バックアップでセメントステムも準備しておくとよいでしょう。


術後Xp



ただ、セメントステムはどのような症例でも対応可能ですが、脱臼肢位の確認を充分にできないことから一発勝負になりがちなので、できるだけ避けたいところです。




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フレームコルセットは自分で曲げよう!

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L1圧迫骨折で入院されている80歳台後半の方が居られるのですが、
受傷後1ヶ月で単純X線像を施行したところ、椎体に不安定性が存在することに気付きました。


受傷時の単純X線側面像でL1椎体が圧潰して楔状変形していたのに、
受傷後1ヶ月目の単純X線側面像では、椎体の圧潰が消失しているように見えたのです。


幸い正面像では椎体に偽関節化の所見を認めていませんでした。
まだ、骨癒合する可能性はありそうです。


そこで、腰椎前屈位となるようにフレームコルセットを調整しました。
フレームコルセットの調整は、力いっぱいフレーム部分の金属を自分の力で曲げます。


原始的な方法ですが、それなりに腰椎は前屈位になります。
ただし、かなり力が必要なので肉離れを起こさないように注意が必要です(笑)。


フレームコルセットの調整後に、コルセットを装着したまま単純X線側面像を撮影したところ、
L1椎体は、いい感じで受傷時レベルの楔状変形に戻っていました。


更に就寝時には基本的に仰臥位を禁止して、
腰椎前屈位の側臥位で寝ていただくように指示を出しました。


DPC病棟ではなかったので、PTH製剤も投与開始しました。
打てる手は全て打ったので、何とか椎体が骨癒合してくれることを祈りたいと思います。



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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。




                     


                  
Critical thinking脊椎外科



                        

大腿骨頚部骨折術後は免荷が必要?

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高齢者の大腿骨頚部骨折でGarden stage 1~2は、
CCSやハンソンピンなどの骨接合術を選択する施設が多いと思います。


私は回復期リハビリテーションも担当しているので分かるのですが、後療法は施設間のバラつきが大きく、術翌日から全荷重を開始する施設から3週程度免荷する施設までさまざまです。


私は、術後2~3週程度は免荷する派なのですが、これは術直後から全荷重を許可している施設の症例では骨折部が偽関節化する率がやや高い印象を抱いているからです。


高齢者の大腿骨近位部骨折の治療における最大の目的はADLの維持でなので、可能なかぎり早期から歩行訓練を開始することは理に適っています。


しかし、大腿骨転子部骨折の髄内釘やCHSと比べて解剖学的にも固定性が良好とは言えないので、全例を術翌日から全荷重歩行させるのは少しやり過ぎのように思えます。


この免荷期間のおかげかは分かりませんが、私は高齢者であってもGarden stage 1~2なら偽関節化や大腿骨頭壊死症の併発をほとんど経験したことがありません。


私が荷重開始を許可する目安は、単純X線像で仮骨が見え始めた(骨折部が硬化し始めた)時です。順調に行くと術後2~3週で骨折部の硬化を確認できます。


万が一にも骨折部が偽関節化したり大きな大腿骨壊死症を併発すると後のリカバリーショットが大変なので、極力初回手術で終了できるように後療法を調整しています。



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