THAやTKAなどの人工関節全置換術は、非常に完成度の高い治療法です。基本的には手術翌日から全荷重歩行を開始しますが、ときどき免荷を強いられる症例もあります。
このような症例では、周囲の患者さんがどんどん全荷重でリハビリテーションを進めていくのに、自分だけなぜ免荷なのか? とブルーになりがちです。
免荷が必要なこと頭では分かっていても気持ちの面での整理がなかなかつかないのです。このような時、私は患者さんの気持ちの「アク抜き」を考えます。
具体的には、1/3 PWBや10kgまでの荷重を許可するのです。この程度の荷重であれば、実質的には免荷しているのと大差ありません。
しかし、患者さんの気持ちになると、荷重を開始するということは治療が前進したことを意味します。つまり、自分の状態が快方に向かっていると・・・
このようにして患者さんの気持ちのアク抜きをしつつ、実質的な免荷を継続します。このようにすることで、患者さんの気持ちが前向きになり、主治医も治療をやりやすくなります。
杓子定規に 免荷!免荷!ではなく、少し工夫を加えることで、治療の経過もやりがいのあるものに変わるのではないでしょうか?