ときどき、手術予定の患者さんで髭を生やした方がいます。
麻酔科医師の立場からは、髭の患者さんは忌避する存在だそうです。
私の勤める医療機関では、髭を生やしている患者さんは術前に髭を剃ることになっています。どうして術前に髭を剃るのかをお伺いすると、下記のような理由でした。
全身麻酔の患者さんは人工呼吸器で呼吸を管理しますが、口から気管まで気管チューブを挿入して気管内挿管することが多いです。
この気管チューブの位置がずれると、気管から抜けたり片肺挿管になってしまう危険性が高まります。これを予防するため、気管チューブを最良の位置でテープ固定します。
固定の際には唇の周りや顎にかけてテープを貼りますが、この時に唇の周りや顎に長い髭が生えていると、テープが浮いたり剥がれてしまう危険性があります。
テープ固定が弱まって、気管チューブの位置がずれたり抜けたりすると麻酔事故につながります。このような事態を避けるために、麻酔科医師は術前に髭を剃ることを指示しているようです。
ここまでお伺いして「なるほど」と感じましたが、ときどきどうしても髭を剃らないと言い張る患者さんが居るので困ってしまいます。
髭など時間がたつと生えてくるのだから、剃ることぐらいどうということは無いのではないのかと思うのですが、髭に対する強いこだわりを持つ方が一定数存在します。
手術前日に髭を剃らなければならないことを患者さんが知ってトラブルになることを避けるためには、術前から髭を剃る必要があることを患者さんに説明しておく必要があると思いました。
全身麻酔
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昨日は、殿部軟部腫瘍の切除術を行いました。
MRIでは脂肪腫疑いだったのですが、サイズが10cm×7cm×5cmとかなり大きかったです。
脂肪腫でもサイズが5cmを超えると、悪性化する可能性が出てくるので切除術が推奨されます。この旨を患者さんに説明したところ、できれば局所麻酔で・・・と希望されました。
気持ちは分からないことも無いのですが、これだけ大きな軟部腫瘍を切除するためには相当量の局所麻酔薬が必要となります。局所麻酔薬の極量を超えてしまう可能性が高いです。
また、腫瘍の裏側は筋膜と軽度癒着していることもあるため、剥離することが結構難しいこともある印象です。このため、少し大袈裟かもしれませんが全身麻酔での手術を選択しました。
脂肪腫などの一般的で、ごくありふれた腫瘍の場合には、術中出血等で困ることは少ないので、安易に局所麻酔での手術を考えがちです。
しかし、病理検査で悪性だったことも考慮して、できるだけ被膜を破らないように手術を行う必要があります。そのためには充分な鎮痛が不可欠であり、全身麻酔の方が望ましいと考えます。
たかが軟部腫瘍、されど軟部腫瘍です・・・。
特にサイズの大きい軟部腫瘍では慎重に治療にあたるべきだと思います。
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骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)
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