先日も内閉鎖筋温存後外側進入の人工股関節全置換術(THA)を行いました。
かなりの数をやりこんでいるはずなのですが、未だに苦労する場面が多いです。


今回は、寛骨臼内の展開 → リーミング → トライアルまではスムーズに進みました。しかし、カップを入れる段階で少し手間取り、ライナーを設置する段階で悶絶してしまいました・・・


初期の頃はリーマーの出し入れだけでも一苦労でしたが、2015.5.9にご紹介したコツを実践することで、トライアルまでは難なく施行可能となりました。


しかし、相変わらずカップやライナーの設置に手間取ります。特にライナー設置が曲者で、寛骨臼前方でカップとライナーの間に介在物が挟まりこんでなかなか上手く設置できません。


今回は大腿骨を上方(天井方向)に挙上して寛骨臼前方にスペースをつくってライナーを滑り込ませました。10分ぐらい格闘していたので、もう少しで内閉鎖筋温存を諦めるところでした。


何とかライナーを設置して内閉鎖筋温存THAを敢行したものの、未だにどんな症例でも問題なくサクサクとインプランテーションの手順を進めて行く次元には到達していません。


おそらく通常の梨状筋温存後外側進入なら何の問題もなく1時間程度で手術が終了すると思いますが、内閉鎖筋まで温存するとなるとなかなか一筋縄には行きません。


術中の30分程度の手術時間延長を取るか、内閉鎖筋まで温存して股関節後方の安定性を取るかは、なかなか判断に悩むところで結論をまだ出せておりません。



    ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                                    人工股関節全置換術