整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

出血

関節注射後の圧迫止血法

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外来で関節注射を施行する際、刺入部から出血することがあります。こればかりは避けようがないのですが、勢いよく出血すると圧迫止血しなければなりません。


出血は予測不能なので、事前に十分な準備をできないことが多いです。このような際、とっさにガーゼを押さえると、自分の指先に血液が付着してしまいます。


外来では感染症の検査をしていない患者さんがほとんどなので、自分の指先に患者さんの血液が付着することは、あまり気持ちの良いものではありません。


このような場合、私は鑷子を逆さまにして、鑷子基部の接合部で出血点を圧迫します。鑷子先端で圧迫してもよいのですが、鋭すぎるので私はやや鈍な接合部で圧迫止血しています。



555 - コピー



上図でいうと、赤丸の部分です。鑷子基部で関節注射の刺入部を圧迫することで、自分の指を汚さずとも簡単に圧迫止血することが可能となります。 





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抜くか止めるか、どちらを選ぶ?

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以前、私は外来のスピードアップのために、両側の膝関節注射では基本的に座位で施行していることをお話ししました。この方が圧倒的に処置スピードが速いからです。


この肢位のデメリットは、血管を刺す頻度が高いことです。血管を刺してしまうリスクは技術の習熟度と関係ありません。このデメリットを緩和する手段として私は下記の対策を行っています。

 

  1. ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止める
  2. もし血管を刺していれば、何もしなくても針の基部に血液のバックフローを認める
  3. 血液のバックフローがある場合には針を全て抜く前にガーゼを準備する
  4. 針を抜いた瞬間にガーゼで圧迫止血する


ありがちなパターンは針をいきなり全部抜いてしまい、血液が針穴から噴出するケースです。こうなると、事後の処置に時間がかかってしまいます。


抜針途中で針基部に血液のバックフローがあった時点で対応すると、このような惨事(?)を回避できるので時間の節約に有効だと思います。
 



一方、膝関節注射が関節内に入った証拠として、勢い良く注射針を引き抜く際の「プスッ」という小さな音を確認します。この音を聴取できると、関節腔内に入ったことが確認できて安心です。


しかし、この2つは相反する手技です。針を勢いよく引き抜くか、途中で一旦止めて血液のバックフローの無いことを確認するかの2者選択です。


う~ん、悩ましい(笑)。最近では、ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止めて血液のバックフローの無いことを確認する方法を行うようになりました。


関節内に入ったという満足感を得るよりも、血液が針穴から噴出するデメリットの方を防ぎたい気持ちが勝ったからです。せっかく発見した「小さな音」を封印するのは少しもったいないです。


しかし、日々の外来業務の効率化・スピードアップを最優先すると、今回の選択もやむを得ないのかなと思いました。




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膝屈曲位での関節注射の出血対策

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私は外来のスピードアップのため、両側の膝関節注射では基本的に座位で施行しています。この方が圧倒的に速いのですが、デメリットがいくつかあります。


最大のデメリットは、外側膝蓋上嚢に比べて関節腔内に針先が入りにくいことです。もうひとつのデメリットは血管を刺す頻度が外側膝蓋上嚢に比べて高いことです。



関節腔内に針先が入りにくいデメリットは膝関節屈曲位での関節注射に習熟するとある程度クリアできますが、血管を刺してしまうリスクは習熟度と関係ありません。



このデメリットを緩和する手段として私は下記のような対策を行っています。

  1. ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止める
  2. もし血管を刺していれば、何もしなくても針の基部に血液のバックフローを認める
  3. 血液のバックフローがある場合には針を全て抜く前にガーゼを準備する
  4. 針を抜いた瞬間にガーゼで圧迫止血する


ありがちなパターンは針をいきなり全部抜いてしまい、血液が針穴から噴出するケースです。こうなると、事後の処置に時間がかかってしまいます。


抜針途中で針基部に血液のバックフローがあった時点で対応すると、このような惨事(?)を回避できるので時間の節約に有効だと思います。





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袋小路に陥ったら心機一転洗浄を!

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昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。私は前外側からアプローチすることが多いですが、後外側アプローチと比べて展開がやや難しいことが欠点です。


昨日の方は結構体格の良い方で、筋肉量が相当ありました。フウフウ言いながら筋肉を避けて術野を展開しますが、どうしても出血が多くなります。


出血が多くなると術野の視野が悪くなるし、精神的にもあまり良くありません。最近はこのような状況に陥った際には、心機一転する意味でも術野を生食で洗浄することにしています。


ちょっと洗浄するだけで、あれほど血液だらけだった術野がすっきり綺麗になります。意外と洗浄効果は数分ぐらい保たれるので、視野が改善された術野で手早く次のステップに進むのです。


一呼吸置くことで精神的な安定も得られるのでお勧めの方法です。これはTHAに限らず整形外科手術全般で応用可能だと思います。


血液で視野が悪くなったら、一度試されてはいかがでしょうか?もちろん、動脈性の激しい出血は除外ですが、それ以外では少々洗浄で時間を費やしても悪い影響は無いと思います。



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                       股関節学



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