病院勤務医をしていると、近くの医療機関から患者さんの紹介を受けることが多いです。
その中でも骨折の患者さんの場合には、注意が必要だと思います。
先日も上肢骨折の患者さんの手術目的での紹介がありました。転位が少なく高齢者であったため、同僚医師は手術よりも保存治療が望ましいという判断で紹介元の前医に送り返しました。
その患者さんが紹介元の前医を再診したところ、やはり手術が必要とのことで前医から同僚医師に直接連絡があったそうです。患者さんも同僚医師も前医に振り回された形です。
以前にもご紹介したように、私は紹介先医師(後医)の裁量権を尊重する診療情報提供書の作成を心掛けています。後医の裁量権を奪わないように気を付けているのです。
今回のケースを検証すると、一番の問題は前医の姿勢です。しかし、後医の立場としては、前医のメンツや医療資源が限られている現実(手術設備が無い)に配慮するべきでした。
今回の案件から手術目的で紹介を受けたなら、仮に保存治療を選択しても前医に送り返すのではなく、後医の医療機関で治療を行うことがスマートな対応だと感じました。
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前医
今日の午前は外来でした。
14歳の前腕両骨骨折の患者さんが紹介受診されました。
2日前にサッカーの試合で遠征した際、転倒して受傷されたとのことです。地元の病院で徒手整復およびギプスシーネ固定をされていました。
受傷時の単純X線像は派手に転位していましたが、こちらで単純X線像を施行したところ、ほぼ完璧に整復固定されていました。かなりの力量の整形外科医であることが推察されます。
これだけきっちり徒手整復できていれば14歳の前腕両骨骨折であっても、現時点ではギプス固定による保存治療が可能と判断しました。
しかし保存治療を選択する上で問題点がひとつだけありました。診療情報提供書の最後に「手術適応だと思います」という一文が記載されていたのです・・・。
受傷時を最も良く知っているのは前医なので、私の採る方法が最良の選択枝とは断言できないです。しかし、最も困るのが後医の裁量権がほとんど奪われている点です。
診療情報提供書に「手術適応」と記載されると、もし保存治療で問題が発生したときに苦しい立場に追い込まれます。もちろん前医に悪気は無いと思いますが、後医としては困ったものです。
先日の私の親友の講演でもありましたが、治療を目的として患者さんを紹介する場合には、紹介先医師の裁量権を尊重する診療情報提供書の作成を心掛けるべきだなと改めて思いました。
具体的には後医の治療の選択幅を狭めるような記載は慎むべきでしょう。診療情報提供書作成時には客観的事実のみを記載して、前医の主観はできるだけ排する姿勢が重要だと思います。
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