先日、アルバイト先で外来をしていると、前腕両骨骨折の抜釘術後の患者さんが同部位を再骨折して救急受診されました。抜釘後3週間ほどで転倒して手を付いたそうです。
今回は前回の骨折部位よりもやや中枢のスクリューホールを起点に骨折を併発したようです。抜釘して3週間で、再手術となってしまい非常に気の毒でした。
橈骨遠位端骨折後の掌側プレートの抜釘後に再骨折を来たした症例は経験ありませんが、今回の例も含めて前腕の骨幹部に近い部位での骨折では、再骨折する症例をよく見かけます。
これは前腕の骨幹部骨折だけではなく、尺骨短縮骨切術後の抜釘も含みます。また、非手術症例でも、前腕骨幹部骨折では再骨折する患者さんをよくみかけます。
このため、橈骨遠位端骨折以外の前腕骨骨折では抜釘しない方が良いのでは? と思うようになりました。抜釘する場合も、術後半年はブレース装着を推奨した方がよいかもしれません。
とにかく前腕骨骨折は再骨折しやすいので、骨癒合を得られたからと言って無罪放免ではなく、骨折後(抜釘術後)半年ぐらいはフォローするぐらいの気持ちが必要なのでしょう。
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AO法骨折治療
前腕両骨骨折
今日の午前は外来でした。
14歳の前腕両骨骨折の患者さんが紹介受診されました。
2日前にサッカーの試合で遠征した際、転倒して受傷されたとのことです。地元の病院で徒手整復およびギプスシーネ固定をされていました。
受傷時の単純X線像は派手に転位していましたが、こちらで単純X線像を施行したところ、ほぼ完璧に整復固定されていました。かなりの力量の整形外科医であることが推察されます。
これだけきっちり徒手整復できていれば14歳の前腕両骨骨折であっても、現時点ではギプス固定による保存治療が可能と判断しました。
しかし保存治療を選択する上で問題点がひとつだけありました。診療情報提供書の最後に「手術適応だと思います」という一文が記載されていたのです・・・。
受傷時を最も良く知っているのは前医なので、私の採る方法が最良の選択枝とは断言できないです。しかし、最も困るのが後医の裁量権がほとんど奪われている点です。
診療情報提供書に「手術適応」と記載されると、もし保存治療で問題が発生したときに苦しい立場に追い込まれます。もちろん前医に悪気は無いと思いますが、後医としては困ったものです。
先日の私の親友の講演でもありましたが、治療を目的として患者さんを紹介する場合には、紹介先医師の裁量権を尊重する診療情報提供書の作成を心掛けるべきだなと改めて思いました。
具体的には後医の治療の選択幅を狭めるような記載は慎むべきでしょう。診療情報提供書作成時には客観的事実のみを記載して、前医の主観はできるだけ排する姿勢が重要だと思います。
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AO法骨折治療
昨日の当直中に7歳男の子がスケート中に転倒して右手をついたとのことで救急受診しました。
単純X線像では右前腕遠位1/3での前腕両骨骨折でした。
橈骨は骨膜も破断しているようで骨片間の連続性がありません。末梢骨片は中枢骨片の背側にオーバーラップしており、約1cm程度短縮していました。幸い尺骨の骨折部は連続性が保たれていたので、徒手整復してギプスで保存治療を行うことにしました。
前腕両骨骨折で骨片間の連続性が無い場合には整復固定が難しいです。救急では十分な麻酔を効かすことが難しいため、整復操作も一度でキメなければいけません。また、単に引っ張るだけでは中枢骨片を乗り越えることができないため、末梢骨片を一旦強制的に背屈させて中枢骨片に乗せてから、細かい整復を行いました。
なんとか2/3程度は橈骨骨折部が接触している状態にまで整復できたので、上腕からのギプス固定を行いました。仮骨をはっきり確認できるようになる2週間程度は慎重に経過観察する予定です。
小児であっても前腕両骨骨折では整復位の獲得および維持が難しいため、手術(ピニング)を行うことが多いと思います。以前、出張先の病院で苦労して整復固定したのに、翌週行くと保存治療では不安だからという理由であっさりピニングされていてがっかりしたことを覚えています。
治療方針はドクターそれぞれ違うと思いますが、私は小児に関しては前腕両骨骨折であっても可能な限り保存治療でがんばろうと思っています。
※ 中学生以上の前腕両骨骨折は、ほぼ骨折観血的手術の適応です。
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