先日、化膿性屈筋腱炎の手術がありました。
術前MRIで感染範囲を評価すると下記のごとくでした。


AP - コピー


MP関節を中心にして中指屈筋腱周囲が高輝度領域となっています。この画像を見る限りでは、MP関節を中心した皮膚切開で対応可能な印象です。


しかし、化膿性屈筋腱炎では屈筋腱に沿って感染が波及しやすいため、化膿性関節炎と違ってMRIでの所見をあまり信用していませんでした。


実際の術中所見では、術前MRIにほぼ合致する範囲での感染に収まっていました。意外と化膿性屈筋腱炎でも、化膿性関節炎と同様に術前MRIが切除範囲の決定に有用そうです。


提示していないですが、腱の走行に沿った矢状断の画像も感染範囲の評価に有用でした。腱の走行に沿った撮像は放射線技師さんの技量に左右されますが試みる価値はあると思います。



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