整形外科医のブログ

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同種骨移植

安価に同種骨移植を導入する方法

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今日は安価に同種骨移植を導入する方法をご紹介します。
まず、同種骨移植には下記のような手順が必要となります。

  1. 院内の倫理委員会の承認を得る
  2. 加温システム・超低温フリーザー(-80度)を調達する
  3. ドナーおよびレシピエント向けの同意書を作製する


②に関してですが、加温システムはLobatorがほぼ市場を独占しているため、本体は約300万円と非常に高価です。このためレンタル(1回3万円程度)で対応する施設が多いようです。


ドナーから採取した骨は、とりあえず超低温フリーザーで冷凍保存します。そして、ある程度移植骨が貯まった時点で、Lobatorをレンタルして一気に加温処理してしまうのです。


超低温フリーザーは各社が販売しており、100万円前後で購入することが可能です。加温処理専用容器は3万円/個程度なので、加温システムを購入するか否かがコスト面のポイントです。


以上を総括すると、コスト面では100万円程度で同種骨移植を導入することが可能です。意外とハードルが低いことが分かりますね。ただし、ハードよりもソフト面の方がハードルが高いです。


それは、院内の倫理委員会の承認、各種同意書作製、およびドナーの感染症の検査を行う必要性があることです。特に感染症は病院負担になるものがあるので注意が必要です。



このあたりのソフト面での整備が大変なので、同種骨移植導入に躊躇する施設が多いと思います。もちろん、純粋に同種骨移植のニーズはさほど高くないことが原因ではありますが・・・




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同種骨移植は使えるのか?

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院内に同種骨があると何かと便利だろうなと漠然と思ったことはないでしょうか?
今日は、実際に同種骨があると便利なのかという視点で検討してみました。


まず、骨移植術が必要な場面は限られています。THAやTKAのような関節外科ではさほど需要はありません。ほとんどのケースは、自家骨のみで対応できてしまいます。


そして、外傷で骨欠損のある症例では、人工骨で対応可能なことが多いです。少量の骨欠損では、同種骨にコスト面での優位性はありません。


何よりも同種骨は使用するときに大きな制約があります。それは術前に同種骨移植の同意書を取得しておく必要性があることです。


このため、術中に突発的に骨移植をする必要性が発生しても、同意書が無い限り原則的には同種骨で対応することは困難です。このため、同種骨があっても「お守り」にはならないのです。



では、どのような場面で同種骨に優位性が発生するのかというと、現時点では圧倒的に脊椎外科の固定術です。現在のようにXLIF全盛の状況では同種骨の需要が高まります。


同種骨移植は、大量の移植骨が必要な場面でその真価が発揮されます。そして、現状では多椎間の脊椎固定術が該当します。とにかく大量の骨が欲しい(笑)。


人工関節センターと脊椎センターを併設している施設では、人工関節センターで採取した同種骨を脊椎センターが定期的に使用するという一連の流れができています。


もちろん、関節外科においてもIBGのように大量の移植骨が必要な場面はあります。しかし、人工関節センターといえども、毎週のようにシビアな再置換術症例が続くことは珍しいです。


以上を総括すると、同種骨がさほど普及しない理由を何となく理解できました。同種骨は良い治療手段だと思いますが、現時点では使用するのにハードルが少し高いようです。




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日本の同種骨移植の現状

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日本整形外科学会雑誌 第90巻 第7号 526-533 に、興味深い委員会報告がありました。
整形外科における組織移植の現状(2010-2014年)です。


日整会の移植・再生医療委員会が、2010~2014年の間に実施された組織移植についてアンケート調査を行いました。私は、同種骨移植に注目しました。


まず、骨移植は全体の85%を占めています。骨移植の中では、下記のような構成比でした。この比率は前回調査時とほぼ不変のようです。やはり同種骨移植はまだまだマイナーですね。

  • 自家骨   54%
  • 人工骨   42%
  • 保存同種骨   4%


次に、使用目的別同種骨移植は、下記のような構成比でした。人工関節と脊椎疾患に対する使用は経年的に増加しており、2010年と比較して2014年はそれぞれ2.0倍と1.7倍でした。

  • 人工関節  44%
  • 脊椎手術  38%

 
生体ドナーからの骨移植として、採取部位は下記のごとくです。やはり、大腿骨頚部骨折に際して同種骨を採取するケースがほとんどのようです。

  • 大腿骨頭   83%
  • 脛骨プラトー 15%
  • 切断肢      1%


脛骨プラトーは、TKAの際に採取します。採取できる骨量は少ないですが、実際に同種骨を使用する場面では、人工股関節再置換術の臼底欠損例で「蓋」として使用できるため有用です。


同種骨組織に対する低温加温処理は、80度10分が62%、60度10時間が14%でした。保存方法は、-80度の冷凍庫が93%、-20度の冷凍庫が7%でした。


ドナーの除外項目は、HBs抗原陽性、HCV抗体陽性、TPHA陽性、梅毒脂質抗原陽性、HIV抗体陽性は9割以上の施設で施行していました。


一方、HTLV-1抗体陽性(76%)、パルボウイルスB19抗体陽性(28%)、血液細菌培養検査陽性(55%)、ウエストナイルウイルス陽性(26%)という結果でした。


どこまでドナーの検査を施行するかは大きな問題です。基本的に検査費用は、医療機関の負担となるからです。尚、移植後感染症の追跡調査は35%しか行われていません。


このことに関しては日整会も問題視しており、啓発の必要があると結んでいました。XLIF等の隆盛で同種骨移植需要が増加中です。今後も注目していこう思います。




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移植骨採取後はオスフェリオンを!

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昨日の午前は、脛骨骨髄炎に対する掻破洗浄術+自家骨移植術を行いました。
脛骨遠位の腐骨除去後の巨大骨欠損を充填するため、腸骨から海綿骨を大量に採取しました。


最近では同種骨移植を利用可能な施設が増えてきましたが、倫理委員会設置や専用冷凍庫の購入などのハードルが高いので、中小医療機関での導入例はまだまだ少ないのが現状です。


もちろん、今回のような感染症例では自家骨移植がベストです。以前は腸骨からの移植骨採取後にα-TCPやゼルフォームを留置していましたが、今ではβ-TCPを使用しています。


海綿骨のみ必要な場合は、移植骨採取後に顆粒状のβ-TCP(商品名: オスフェリオン)を充填します。内板も含めたcorticocancellous boneの場合は、採骨部に板状のβ-TCPを留置します。


β-TCPを留置することでbone stockが回復するので、腸骨からの自家骨移植を施行する場合には、採骨部にβ-TCPを留置することを忘れないことが肝要だと思います。



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