整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

大腿骨転子下骨折

reverse obliquityの内固定選択は?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨転子下骨折(reverse obliquity)の手術がありました。reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はご存知のように難しい骨折です。


大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)では、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はすべての転子部・転子下骨折の5%の頻度です。



G0000307_0023_0001 - コピー




不十分な整復や不適切なインプラント選択によって手術成績は不良になる傾向にあります。ガイドラインでは、short femoral nail(Gammaタイプ)とCHSは非推奨です。


確かに、普通に考えてshort femoral nail で十分な固定性を得られるとは到底思えません。では、どのような内固定材料を選択すればよいかと言うと難しい問題です。


候補としては、long femoral nail(Gammaタイプ)が挙げられます。しかし、この内固定材料の難点は、ネイル径とネイル長にバリュエーションが無いことです。


あまり選択肢が無いため、症例にかかわらずほぼ決め打ちにならざるを得ないのが最大の問題点だと思います。


しかし、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折では、消去法的にいくとCHSも含めてlong femoral nail(Gammaタイプ)しか選択の余地が無いです。なかなか悩ましいですね。








★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








大腿骨転子下骨折のピットフォール

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日は、大腿骨転子下骨折に対する骨折観血的手術でした。
大腿骨転子下骨折は、不安定性が強いので髄内釘の良い適応です。


しかし、通常の大腿骨転子部骨折や大腿骨骨幹部骨折と異なり、下記のようないくつかのピットフォールがあるので注意を要します。


まず、髄内釘のエントリーポイントですが、通常よりも前方から刺入することを心掛けます。これは大腿骨が前弯してことに起因する jamming を防ぐためです。


大腿骨転子部骨折ではショートネイルのため、大腿骨骨幹部骨折では中央で骨折しているので、髄内釘を挿入する際にも大腿骨前弯は問題になりません。


しかし、大腿骨転子下骨折ではストレートに大腿骨前弯が髄内釘に影響を与えるので、エントリーポイントが重要となるのです。


もう一点は遠位の横裸子の刺入です。通常、ラジオ・ルーセントドリルでドリリングしますが、大腿骨顆部と異なり、イスムスに近い部位は高齢者であっても皮質骨がしっかりしています。


したがって、キリで取っ掛かりを作ることも一苦労で、大腿骨顆部に横裸子を挿入する安易な感覚でいると、少し苦労するかもしれません。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。



                                             

                                  
AO法骨折治療




ビスホスホネート製剤と非定型骨折

このエントリーをはてなブックマークに追加


2005年にOdvinaらによって報告されてから、ビスホスホネート製剤(BP)と非定型骨折の関連性が指摘されています。2010年に米国骨代謝学会(ASBMR)が診断基準を明確にしました。


非定型骨折の臨床的特徴は下記のごとくです。
① 5年以上のBP使用により、大腿骨頚部骨折・転子部骨折は有意に抑制される一方、転子下骨折や骨幹部骨折の発生率は有意に高くなる
② BPの長期使用により非定型骨折発生率は増加するが、使用中止により減少する
③ 大腿骨転子下骨折や骨幹部骨折の総数は横ばいであるが、ASBMRによる診断基準の主・小特徴を満たす非定型的大腿骨骨折の発生頻度は経年的に増加している


日常診療では、ビスホスホネート製剤(BP)使用例では、非定型骨折を念頭に置いて前駆症状としての大腿部痛や鼡径部痛の有無は問診しておく必要があります。単純X線像で大腿骨転子下の肥厚や左右差がみとめられた症例では、より注意が必要です。


ビスホスホネート製剤(BP)を5年以上使用した症例では、休薬・中止を検討するべきだとする意見が多いです。尚、非定型骨折の発生頻度は5.9/10万人であり、1例の非定型骨折発生につき30例の椎体骨折、5例の大腿骨近位部骨折を予防できる計算です。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。