整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

大腿骨顆上骨折

膝外側進入では外側上膝動脈に注意!

このエントリーをはてなブックマークに追加


一昨日に施行した大腿骨顆上骨折の手術記録を記載していて思い出したことがありました。
外側からアプローチしたのですが、腸脛靭帯を切離した途端にかなりの出血がありました。


最初は、骨折部の血腫が噴出したのだと思って吸引していたのですが、いつまで経っても止まらないのでおかしいな? と思って観察すると動脈血の色調なのです。


腸脛靭帯を避けて出血源を確認しましたが、出血量が多くて止血に少し手間取りました。手術記録を記載する段階で解剖書を調べてみると、この動脈は外側上膝動脈だったようです。



外側上膝動脈





解剖書には「外側上膝動脈は骨膜上を走行している」とありますが、術中の印象としては骨膜上というよりも腸脛靭帯下の軟部組織内を走行している印象でした。


さほど太い血管ではないのですが、損傷するとかなり出血します。外側アプローチで大腿骨顆上部を展開する際には、外側上膝動脈の結紮を念頭に置く必要があるなと思いました。


このあたりを展開する場面は大腿骨顆上骨折や顆部骨折以外ではあまり無いので、忘れないように手術記録にしっかり書き留めようと思います。



         ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。



                                             

                                  
AO法骨折治療



大腿骨顆上骨折の術前のポイント

このエントリーをはてなブックマークに追加


今日の午後の手術は、大腿骨顆上骨折でした。大腿骨顆上骨折は、大腿骨頚部骨折と比べて解剖学的に良好な固定性を期待できないため難易度が高い骨折だと思います。


シンセスのロッキングプレートが登場するまでは、逆行性髄内釘ぐらいしか無かったため、あまり良好な治療成績を見込めませんでした。ロッキングプレートは革命的な内固定材料なのです。


現時点ではロッキングプレートが大腿骨顆上骨折の第一選択の内固定材料だと思います。実際の手術手技ですが、牽引手術台を使用する方法としない方法に分けることができます。


私は、手技が容易なので牽引手術台を使用することが多いです。さて、麻酔を導入した段階で牽引手術台に載せますが、この際にあらかじめ透視下にプレートの選択をします。


LCP DFは5穴から13穴までありますが、たいてい7穴前後のプレートを選択することになります。まず、プレートの入った箱ごと透視します。そして最適な長さのプレートを選択するのです。


更に、プレートを大腿骨外側に置いて正面から透視しながら、関節面・骨折部・プレート中枢端を皮膚上にマーキングします。側面像でも透視しておくと皮切の部位を間違えません。


術中の手技のポイントはこちらにまとめているので、ご参考にしてください。転位が高度な大腿骨顆部の粉砕骨折以外は、基本的に牽引手術台をお勧めします。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。



                                             

                                  
AO法骨折治療




オムツ骨折による開放創

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は、出張先で外来をしていました。
80歳代の寝たきりの方が『膝の骨が皮膚を破って出てきた』とのことで受診されました。


この方は施設に入所中なのですが、1ヵ月前に
オムツ骨折?を受傷してかかりつけ医で大腿骨顆上骨折の診断を受けました。ここまではよかったのですが、その後外固定無しで経過観察されたらしく、極端なmalalingnmentを併発していました。


このため骨折部断端が皮下に突出して、とうとう2日前に開放創になったらしいのです。幸い、仮骨形成をみとめるので骨接合術は不要そうですが、このままでは骨髄炎が必発なので骨切除および掻破洗浄術予定となりました。


たしかにオムツ骨折を併発する方は、関節拘縮が著明なためシーネ固定が難しいケースも多いのです。しかし、このような症例を経験すると、可能な限り外固定した方が良いのだかなと感じました。





  ★★ 良本さえ知っていれば、配送料無料であらゆる医学書を購入できます ★★
 

                      




いわゆる、「 オムツ骨折 」に対する手術治療

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の午後は、大腿骨顆上骨折に対する骨折観血的手術でした。
寝たきりで股関節および膝関節の屈曲拘縮をきたしている超高齢者の方でした。


このような方は廃用のため、全身の関節が拘縮しています。そのためオムツ交換などの際にスムーズに開脚できないことが原因となって、大腿骨近位部骨折や大腿骨顆上骨折をおこしてしまいます。介護の現場ではこのような骨折を『 オムツ骨折 』と呼ぶそうです。


普段から拘縮をつくらない介護を行うのが予防方法と言われていますが、実際の現場ではなかなかそんなキレイごとは通用しないと思います。そして、発生してしまった骨折は我々整形外科医が治療せざるえません。


このような骨折をおこす方は、高度の骨粗鬆症であることがほとんどです。ギプス固定などの保存治療も、手術治療を選択するのも難しいため、頭を抱えてしまいます。単純X線像ではほとんど皮質骨が無いことが多いため手術を行っても十分な固定力を得られませんが、保存治療では骨折部の褥創や偽関節を高率に併発します。


昨日の手術は、このように大腿骨の皮質骨がほとんど確認できないような方でしたが、ロッキングプレートで内固定したところ及第点と思われる固定力を得ることができました。ロッキングプレート/スクリューの登場で、高度の骨粗鬆症症例でも治療可能になったのだなと改めて感じました。

大腿骨顆上骨折のロッキングプレートによる固定術

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午後の手術は、大腿骨顆上骨折でした。
大腿骨顆上骨折は大腿骨頚部骨折と比べて症例も少なく、術後の免荷期間が長いため難易度が高い骨折です。


ロッキングプレートが出てくるまでは、逆行性の髄内釘ぐらいしかなかったため、良い成績はあまり見込めませんでした。そういう意味では、シンセスのロッキングプレートは革命的な内固定材料といえます。ただ、いくらロッキングプレートが比較的強固な固定性を得ることができるとはいえ、膝関節拘縮はほぼ併発します。


実際の手術手技ですが、牽引手術台を使用する方法としない方法に分けることができます。

牽引手術台を使用する場合は、顆部が過伸展位になりがちです。まず側面像で大腿骨骨幹部のやや後方にプレートが位置するようにし、顆部にロッキングスクリューを7本挿入します。次に、ローマン等でプレートの中枢側を大腿骨の長軸に合わすことで過伸展を矯正することが可能です。


顆部の整復を要する場合は、牽引手術台を使用しないで手術を行います。この場合、側面のアライメントは問題無く整復できますが、正面のアライメントが不良となりやすいです。したがって特に最初のスクリューを顆部に刺入する際に正面像で顆部と骨幹部のアライメントを確認することが重要です。


牽引手術台を用いると手術が楽なので、私は基本的には牽引手術台を使用します。





★★『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です!★★


      



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。