一昨日に施行した大腿骨顆上骨折の手術記録を記載していて思い出したことがありました。
外側からアプローチしたのですが、腸脛靭帯を切離した途端にかなりの出血がありました。
最初は、骨折部の血腫が噴出したのだと思って吸引していたのですが、いつまで経っても止まらないのでおかしいな? と思って観察すると動脈血の色調なのです。
腸脛靭帯を避けて出血源を確認しましたが、出血量が多くて止血に少し手間取りました。手術記録を記載する段階で解剖書を調べてみると、この動脈は外側上膝動脈だったようです。
解剖書には「外側上膝動脈は骨膜上を走行している」とありますが、術中の印象としては骨膜上というよりも腸脛靭帯下の軟部組織内を走行している印象でした。
さほど太い血管ではないのですが、損傷するとかなり出血します。外側アプローチで大腿骨顆上部を展開する際には、外側上膝動脈の結紮を念頭に置く必要があるなと思いました。
このあたりを展開する場面は大腿骨顆上骨折や顆部骨折以外ではあまり無いので、忘れないように手術記録にしっかり書き留めようと思います。
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