今日の午前は外来でした。月曜日の外来にも関わらず、めずらしく患者さんが少なかったので、空き時間に日本医師会雑誌を読んでいました。


すると、雑誌の最後の方の医薬品・医療機器等安全性情報欄に、ケトプロフェン(外皮用剤)の妊娠中における使用についての記事が載っていることに気付きました。


要約すると、ケトプロフェンのテープ剤貼付で胎児動脈管収縮や羊水過少症の発現例が何例か報告されたため、平成26年3月から妊娠後期の女性への使用が禁忌になったとのことでした。


私の勤めている病院ではレイナノンテープが採用なのですが、MRの方から一切情報提供がありませんでした。そもそも後発品メーカーなので、MRなど存在しないのかもしれません・・・。


しかし自社製品に禁忌事項ができたにも関わらず、自社のホームページと添付文書のみでしか情報発信していないことは、患者さんの安全を守る上で非常に問題があると思います。


たまたま私は日本医師会雑誌を読んでいたから知ったものの、通常の診療でケトプロフェンのテープ剤に禁忌事項が追加になったことを知る手段など皆無だと思います。


法的には薬品メーカーに添付文書の改定以外で、ユーザーである医師に対して積極的に自社製品の不具合を伝える義務は無いのかもしれません。


しかし先発品メーカーが苦労して開発した薬剤の美味しいところだけタダ乗りした上に、アフターサービスを積極的に行わない売りっぱなしの企業姿勢には疑問を感じざるを得ません。


こういう点からも、後発品メーカーの利益至上主義(売りっぱなしで、お金がかかる薬剤情報の提供など知ったことではない)および後発品の品質に対する不信感をどうしても拭えないのです。



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