今日は安価に同種骨移植を導入する方法をご紹介します。
まず、同種骨移植には下記のような手順が必要となります。
- 院内の倫理委員会の承認を得る
- 加温システム・超低温フリーザー(-80度)を調達する
- ドナーおよびレシピエント向けの同意書を作製する
②に関してですが、加温システムはLobatorがほぼ市場を独占しているため、本体は約300万円と非常に高価です。このためレンタル(1回3万円程度)で対応する施設が多いようです。
ドナーから採取した骨は、とりあえず超低温フリーザーで冷凍保存します。そして、ある程度移植骨が貯まった時点で、Lobatorをレンタルして一気に加温処理してしまうのです。
超低温フリーザーは各社が販売しており、100万円前後で購入することが可能です。加温処理専用容器は3万円/個程度なので、加温システムを購入するか否かがコスト面のポイントです。
以上を総括すると、コスト面では100万円程度で同種骨移植を導入することが可能です。意外とハードルが低いことが分かりますね。ただし、ハードよりもソフト面の方がハードルが高いです。
それは、院内の倫理委員会の承認、各種同意書作製、およびドナーの感染症の検査を行う必要性があることです。特に感染症は病院負担になるものがあるので注意が必要です。
このあたりのソフト面での整備が大変なので、同種骨移植導入に躊躇する施設が多いと思います。もちろん、純粋に同種骨移植のニーズはさほど高くないことが原因ではありますが・・・
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