整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

局所麻酔

局所麻酔をうまく効かすコツ

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日の Wide awake hand surgery (WAHS)の実践編です。WAHSを効果的に実施するには局所麻酔の手技が欠かせません。Monthly Orthopaedicsに詳述されていたので記載します。


  • 穿刺の痛みを小さくするために、26~27 G針を使用する
  • 穿刺部位を少なくするために1か所から角度を変えて麻酔薬を注射する
  • 広範に麻酔を効かせるためには、麻酔が効いた部位から新たな針を刺入する


解剖学的には末梢神経は近位から遠位に走行するので近位を麻酔すれば遠位もある程度は麻酔されます。また、指尖が最も鋭敏なので、この部分への直接麻酔は避けましょう。


皮膚表面が最も鋭敏で、皮下、筋膜、筋は鈍感です。このため、局所麻酔は皮膚表面の痛覚を消すことが目的と言っても過言ではありません。


手根管開放術では、まず皮膚直下に局所麻酔剤を注射します。表面に麻酔が効いた後に皮下深部へ数mlの追加麻酔をします。


横手根靭帯を切離する前に手根管内に局麻剤を散布すると、横手根靭帯を切離する際の鈍痛を回避できます。


今まで漫然と局所麻酔を施行していましたが、上記のような解剖学的な知識を考えながら施行すると、より苦痛の少ない麻酔&手術が可能な気がしてきました。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



プレ麻酔に効果はあるのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加


今日の午前はアルバイト先で外来をしていました。
1ヶ月前に腱鞘切開術を施行した方が最終確認のために受診されました。


痛みや可動域制限もなく何の問題も無く治療が終了しましたが、診察の最後に今回施行した手術や治療全般に対する患者さんの感想をお伺いしました。


ちなみに私は一般のサービス業を見習って、今後の治療や診療技術向上のために、手術を施行した患者さんにはこのようなアンケートを採ることにしています。


今回の感想は「手術の際の局所麻酔がとても痛かった」とのことでした。私は皮内針で局所麻酔を施行していますが、それでもやはり痛みはキツかったようです。


ただ、その方がおっしゃられるには、歯科で抜歯する際は局所麻酔の注射前に歯茎に局所麻酔のスプレーを撒布するそうです。この処置により本番の局所麻酔が痛くないとのことでした!


ムムッ、歯科医師やるな!と思ったので、整形外科分野でも応用可能かを早速試してみました。外来にはキシロカインスプレーが無いので、キシロカインゼリーを自分の手掌に塗ってみました。


しかし10分しても手掌の感覚はほとんど変わりません。少しぐらいは感覚がニブくなったかな?とも思いましたが、つねると充分痛いのでとても局所注射をする気にはなれませんでした(笑)。


やはりキシロカインゼリー程度では、通常の皮膚と粘膜面とで随分様相が異なるようです。今度は手術室でキシロカインスプレーではどうなるかを試してみようと思います。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      




局所麻酔では、ちょっと無理です・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日は、殿部軟部腫瘍の切除術を行いました。
MRIでは脂肪腫疑いだったのですが、サイズが10cm×7cm×5cmとかなり大きかったです。


脂肪腫でもサイズが5cmを超えると、悪性化する可能性が出てくるので切除術が推奨されます。この旨を患者さんに説明したところ、できれば局所麻酔で・・・と希望されました。


気持ちは分からないことも無いのですが、これだけ大きな軟部腫瘍を切除するためには相当量の局所麻酔薬が必要となります。局所麻酔薬の極量を超えてしまう可能性が高いです。


また、腫瘍の裏側は筋膜と軽度癒着していることもあるため、剥離することが結構難しいこともある印象です。このため、少し大袈裟かもしれませんが全身麻酔での手術を選択しました。


脂肪腫などの一般的で、ごくありふれた腫瘍の場合には、術中出血等で困ることは少ないので、安易に局所麻酔での手術を考えがちです。


しかし、病理検査で悪性だったことも考慮して、できるだけ被膜を破らないように手術を行う必要があります。そのためには充分な鎮痛が不可欠であり、全身麻酔の方が望ましいと考えます。


たかが軟部腫瘍、されど軟部腫瘍です・・・。
特にサイズの大きい軟部腫瘍では慎重に治療にあたるべきだと思います。



                 ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。



                      

 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。