整形外科医のブログ

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屈筋腱断裂

また来た!多数回の腱鞘内注射患者

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本題とは関係無い話ですが、当ブログへのアクセス数が300万を突破しました!
最近では、1日あたり 6000 以上のアクセスが継続しています。


全国の整形外科医は25000名ほどしか居ないのに、名も無い整形外科医の日常診療や投資活動を綴ったブログに、これほど訪れてもらえているのは光栄なことです。ありがとうございます!


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先日、アルバイト先の病院で環指狭窄性屈筋腱鞘炎(ばね指)の患者さんが再診されました。
私は初めての診察だったのでが、この半年で同院で3回の腱鞘内注射歴がありました。


しかも初診の段階で、現病歴の欄に「半年前に他医で2~3回の腱鞘内注射を施行されている」としっかりと記載されていました・・・


つまり、私の前に少なくとも5回の腱鞘内注射歴があるのです。これは非常にマズい状況です。先日もご報告したように、多数回の腱鞘内注射では屈筋腱断裂の危険性が高まります。


環指ばね指なので、普通なら経皮的腱鞘切開術を施行するところです。しかし、少なくとも5回の腱鞘内注射歴がある患者さんに、経皮的腱鞘切開術を施行すると屈筋腱断裂を誘発します。


多数回の腱鞘内注射歴のある患者さんに対しては、経皮的腱鞘切開術など怖くてとても施行できません。仕方なく、従来方式の観血的腱鞘切開術を行う予定にしました。


カルテ記載を確認すると、やはり全員アルバイト医師でした。「その場をしのげば良い」という気持ちは分からないこともないですが、もう少し注意して治療をしてほしいものです。


多数回の腱鞘内注射は意外なピットフォールだと思います。下手すると患者さんと共に、自分まで被害者になってしまうので十分に注意する必要があると思います。




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危険: 腱鞘内注射は2~3回まで!

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先日、夜診のスポットアルバイトを頼まれました。
私にとっては初めて行く病院で、普段は他大学の専攻医で回しているようです。


外来をしていると、「今日も手指の腱鞘内注射を希望」という患者さんがやって来ました。カルテをみると、この数か月で同じ手指に合計6回も腱鞘内注射を施行されているではないですか!!


腱鞘内注射のメニューは水溶性ケナコルトで、これ自体は妥当な選択だと思います。しかし、同一指に6回もの腱鞘内注射を施行すると、屈筋腱断裂の危険性が高まります。


この手の皮下断裂は屈筋腱自体の変性が強いため治療に難渋します。3回以下の腱鞘内注射での屈筋腱断裂の報告はあまり無いようですが、それ以上では多数の報告例があります。


これらの報告を考慮すると、同一手指に対する腱鞘内注射は2~3回までにしておく方が無難だと思います。そして、水溶性ではなく懸濁性ステロイドはもう少し厳しめにするべきでしょう。


腱鞘内注射後の屈筋腱皮下断裂は、注射後半年以上経っても併発する可能性があります。今回のケースは論外ですが、私たちもステロイド腱鞘内注射の既往を確認するべきだと思います。


前医で2回の腱鞘内注射を受けていることを知らずに、こちらで1回腱鞘内注射を施行した結果、屈筋腱断裂を併発しては目も当てられませんから・・・




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アキュロック橈骨遠位端掌側用プレートの抜釘

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先週金曜日の午後は、橈骨遠位端骨折に対する掌側プレートの抜釘でした。
Acumed社製(小林メディカルが販売)のAcu-Loc Volar Distal Radius Plate(アキュロック橈骨遠位端掌側用プレート)です。


Watershed lineを越えてプレートを設置すると、長母指屈筋腱断裂等を併発しやすいという報告があります。最近ではたくさんのプレートが販売されているため、可能なかぎりWatershed lineを越えないプレートを選択しています。


この方を手術した当時はアキュロックがメジャーだったのですが、屈筋腱断裂の報告をみるとやはり若年者では抜釘しておいた方が無難かと思い、手術を施行するにいたりました。


医学の世界では、何年か経過してからでないと結果が分からないのが怖いところですね。


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