整形外科医のブログ

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弾性包帯

弾性包帯の実費徴収はOK?

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私はメインの病院以外に複数個所の医療機関でアルバイトをしています。異なる医療機関を同時期に比較できる立場にあるので、個々の病院の差異をよく感じます。


最近では、医療材料の取り扱いについて差異を感じました。整形外科ではギプスシーネで外固定しますが、洗い替え用に弾性包帯を患者さんに渡すケースがあります。


この弾性包帯の取り扱いについて、下記の3つのパターンがあることに気付きました。
① 無料で新しい弾性包帯を手渡す
② 病院では弾性包帯を渡すことはできないので、ドラッグストアで購入することを勧める
③ 患者さんから実費を徴収して購入してもらう


疑問に思っていたので、どの取り扱いが正しいのかを調べてみました。告示⑧の「療養規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」に記載がありました。


療養の給付と直接関係ないサービス等(実費徴収が認められるもの)
  ・ おむつ代
  ・ 腹帯代
  ・ T字帯代
  ・ 病衣貸与代
  ・ 証明書代  等


療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの(実費徴収が認められないもの)
  ・ 衛生材料代(ガーゼ代・絆創膏代)
  ・ ウロバック代
  ・ 骨折や捻挫などの際に使用するサポーターや三角巾 等


さすが、厚生労働大臣が定めるだけあって、とにかく表現が分かりにくいです。あえて難しく記載することで、皆を煙に巻いているのでしょうか(笑)


しかし、よく問題になるガーゼ・絆創膏などの衛生材料代や三角巾や弾性包帯は、明確に”実費徴収が認められない”と規定されていました。したがって上記①②が正しい対応のようです。


しかし実際的に、①は非常に違和感を感じます。治療に不可欠というわけではない単なるアメニティーグッズを、病院が損してまで無償で提供する意味があるのか?と思うからです。


そこで、医療機関サイドから見た現実的な対応としては、②が最も推奨されるパターンのようです。もし私なら、ドラッグストアにわざわざ行くのは面倒なので、③が一番ありがたいですが・・・。



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静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE) その2

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静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE) その1
 のつづきです。


VTEの予防法は、下記のごとくです。

 


弾性ストッキングまたは弾性包帯

血栓の発生は術中から始まっているので、手術中から使用開始します。下肢を圧迫することで表在静脈に流れる血液を減少させて、深部静脈の血流量を増やし、血栓形成を抑えます。一般的な日常生活に近い程度の歩行を行えるようになるまで、24時間装着します。閉塞性動脈硬化症の症例では注意が必要です。

 

間欠的空気圧迫法(foot pump)

足底部の静脈は、自動・他動運動や歩行の際の加圧によって、強力で自然な血液ポンプとして機能しています。術中・術後は、こういった運動が不可能なため、手術中よりフットポンプを用い、足底部を反復的に圧迫することにより、足底部からの静脈血流を保つことでDVTの予防をしています。閉塞性動脈硬化症の症例では注意が必要です。また、既に下肢に静脈血栓が生じていることが分かっている際には、間欠的空気圧迫法で既に生じている血栓を遊離させてPTEを生じさせる可能性と、既に生じている血栓を大きくしない予防効果の両方が考えられており、一定の見解には至っていません。

 

足関節自動運動

 手術直後から足関節の自動運動を促し、翌日からは理学療法士によるリハビリテーションが始まります。これにより、下肢血流停滞が予防されます。

 

術後の体位

臥床している期間は、下肢を挙上することで術後DVTの発生頻度が低下するという報告があるので一般的には下肢を約20度挙上させます。

 

薬物療法

低分子量ヘパリンを術後24~36時間後に手術創などからの出血がないことを確認してから投与開始します。施行期間は10-14日間の投与で日本人におけるエビデンスを得ています。

 

 

いずれも当たり前のことですが、予防効果を得られる機序について再認識しました。

 

 

ただ、③の術後体位で下肢を約20度挙上することは、THA・TKAとも関節の拘縮を作ってしまうで、少なくとも術後数日に留めるべきなのでしょう。

 

静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE) その3 へつづく





日本整形外科学会静脈血栓塞栓症予防ガイドライン


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