整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

心筋梗塞

トロポニンTとラピチェックの使い分け

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、90歳台後半の入院患者さんが胸部痛を訴えました。
ECGを施行したところ、入院時には無かった完全左脚ブロックを認めました。


循環器内科医に相談したところ、トロポニンTとラピチェックをチェックするように指示を受けました。この2つは虚血性心疾患を疑う際に施行される検査です。


ラピチェックは、ヒト心筋由来脂肪酸結合蛋白(Heart type Fatty Acid Binding Protein)を測定する検査です。脂肪酸結合蛋白には心筋型、肝臓型、小腸型があります。


心筋型(Heart-type:H-FABP)は主として心筋細胞脂質に局在し、骨格筋や他の組織における含量が少ないことから、心筋傷害の優れた指標になると考えられています。


心筋虚血に伴う心筋細胞傷害時に、H-FABPは1~2時間で血中へ逸脱することが知られています。発症3時間以内での心筋梗塞における感度と特異度は下記のごとくです。


    トロポニンT: 感度 31.9% 特異度 96.3%
    ラピチェック: 感度 91.5% 特異度 55.6%


このようにトロポニンTは感度が低いが特異度は高く、逆にラピチェックは感度は高いが特異度は低い検査です。このため両方を同時に行うことで虚血性心疾患の診断精度を高めます。


しかし、保険では両方の検査を同時に行うことが認められていません。このため、往診時等のどちらかの検査を選ばざるを得ない際には、感度の高いラピチェックを選ぶ場合が多いようです。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)


術前患者さんのCRP高値で困ってしまいました

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は外来でした。来月に人工股関節全置換術予定の患者さんで、CRPの高値(2.5~4mg/dl程度)が続く方がいます。2.5~4mg/dlを高値とみなすかは微妙なところです。しかしTHA術前の値としては、放置するわけにはいかないレベルです。


術前の血液生化学検査で発覚したのですが、体温上昇は無く身体所見でも明らかな異常所見を認めません。WBCは正常範囲、ESRは軽度亢進しています。尿検査は正常範囲内です。


一体、何がCRP高値の原因なのか検討がつきませんでした。調べてみると、CRP高値の原因としては感染がメインですが、下記のようなことも挙げられるようです(当たり前のことばかりですが・・・)。


・ ウイルス性感染症
・ 細菌性感染症
・ 悪性腫瘍
・ 心筋梗塞
・ 膠原病
・ 外傷・熱傷


この患者さんに関しては、上記のうち悪性腫瘍の可能性のみ否定し切れませんでした。CRP高値が2週間持続していることを説明した上で、胸部~腹部CTを施行しました。


結果は・・・、おそらく憩室炎であろうとのことでした。腹部症状は全く無いのですが、大腸に憩室をみとめ、壁が腫脹しているので憩室炎を最も疑うとのことです。


FOMを1週間処方されて一件落着になりそうです。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。