インフルエンザのシーズンが到来しました。
全国の医療機関でインフルエンザワクチンの予防接種が始まっています。
先日にTHAを施行した患者さんが、手術日の10日前に近医でインフルエンザの予防接種を受けていました。麻酔科の術前訪問の際に、このインフルエンザ予防接種が問題になりました。
ワクチン接種してからしばらくの間は手術や麻酔を控えることが一般的だそうです。恥ずかしながら、私は今までそのようなことを考えたことがありませんでした。
手術や麻酔を控える期間は施設によってまちまちなのですが、インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチンでは概ね1~2週間が多いそうです。
そこで、アステラス製薬が発行している2016年版のインフルエンザワクチンQ&Aを通読してみました。ざっくり目を通しましたが、手術や麻酔に関してはほとんど記載がありませんでした。
唯一関連する箇所はP8の最後の7行だけでした。以下にその部位の要旨を抜粋します。
- 全身麻酔による免疫系の影響は小さく一過性である(48時間~4日)
- 麻酔前にワクチン接種を禁忌とする根拠はない
- ワクチンの副反応と術後合併症の区別をするため、術前は不活化ワクチンで2日~1週間前、生ワクチンで14日~21日前までに接種して、術後は1週間あけることが望ましい
なるほど、あまり神経質になることはなさそうです。人工関節や脊椎手術などの予定手術に関しては、あらかじめ患者さんに説明しておいた方がいいかなぐらいの感覚ですね。
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。
姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。