整形外科医のブログ

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指尖部損傷

難治の指尖部損傷にステロイド著効!

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先日のブログで話題になった指尖部損傷の患者さんの経過報告です。この方は7週間もアルミ法で治療をしていましたが、カリフラワー状の肉芽形成となり上皮化が進展しませんでした。


私はこのような患者さんを経験したことが無かったので非常に困ってしまいました。そこで爪周囲炎の感染性肉芽組織の治療を参考にして、不良肉芽組織の切除を行う予定にしました。


このことをブログ内で書いたところ、コメント欄で関西の1整形外科医様から、ストロンゲストのステロイド外用剤を使用しては?という助言をいただきました。


そこで、ストロンゲストのステロイド外用剤を試してみることにしました。私の勤務する病院にはストロンゲストのステロイド外用剤が無かったので、この方のために特別に1本取り寄せました。


肉芽組織にストロンゲストのステロイド外用剤を塗布して2日後に再診したところ、それまでどんどん大きくなっていた指尖部のカリフラワー状の肉芽組織が縮小しているではないですか!


特に周囲の感染徴候もなく、局所の状態は明らかに改善しています。そこで、2日に1度の頻度で通院してもらい、その都度ストロンゲストのステロイド外用剤を塗布し続けました。


そして1週間目の昨日の時点で、あれほど大きくなっていた肉芽組織が周囲の皮膚レベルにまで縮小して、急速に上皮化していることが確認できました。


あと、1週間もすれば完全に上皮化しそうな勢いです。これには驚きました。関西の1整形外科医様には本当に感謝です!ブログをしていて良かった(笑)。




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アルミ法で上皮化しない時の対処法は?

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今日の午前は外来でした。
7週間前受傷の示指指尖部損傷の患者さんを診察しました。


この方は末節骨先端が欠損していたためアルミ法で治療をしています。通常受傷後4~5週もすると先端は上皮化しますが、今回はカリフラワー状の肉芽形成となり上皮化が進展しません。


滲出液はさほど多くないのですが、いわゆる不良肉芽である可能性が高いと判断しました。単純X線像で骨髄炎の有無を確認しましたが、むしろ末節骨先端に骨形成しつつあるほどです。


肉芽組織内の感染を疑って、アルミ法を通常のガーゼ保護に変更しました。その上で抗生剤を4日分処方しました。そして今日診察したのですが、肉芽組織にほとんど変化がありません。


このため抗生剤は無効と判断して、不良肉芽組織の切除を行うことにしました。肉芽組織切除では、かなり出血することが予想されるため、伝達麻酔下に手術室で処置を行う予定にしました。


今までアルミ法を多数施行してきましたが、このような状態になった患者さんを経験したことは初めてです。この処置でなんとか上皮化が進展して欲しいものです。




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指尖部損傷時の止血のポイント

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今日の午前は外来でした。
世間ではお盆休みに入ろうとしており、外来はめっきり少なかったです。


先週土曜日に指尖部損傷の方が来院されました。電気カンナに指先に当たって完全に先端が欠損していたので、いつものごとくアルミ法を念頭にして治療を行っています。


しかし指尖部損傷の場合、初診時には出血が完全に止まらないことが多いので、3日ほど待機して出血が完全に止まってからアルミ法を開始しています。


さて、初診時に指尖部からの出血を止める手段としては、主に3つほどあると思います。
  1. バイポーラで凝固止血する
  2. モスキートで血管を10分程度把持して止血する
  3. カルトスタット等のアルギン酸塩系の止血剤で止血する


明らかに動脈性の出血がある場合には① ⇒ ③ですが、oozing程度なら③のみ施行しています。ポイントは上肢をある程度挙上した状態で患者さん自身に創部を圧迫してもらうことです。


これは、麻酔が効いている間しかできないので、アルギン酸塩系止血剤・ガーゼ越しに10~20分程度、患者さんに自身で圧迫止血してもらいます。この指示をしておかないと何度もガーゼを交換するハメになることが多いです。




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指尖部損傷に対するアルミ法

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指尖部損傷に対して、最近では一期的に断端形成術を行うことはほとんどなくなりました。
私は、閉鎖療法の一種であるアルミ法を行っています。


一般的には創面よりも突出している骨は切除するべきといわれていますが、私はあえて温存しています。腐骨化してどうしても肉芽が形成されない場合には切除しますが、意外と肉芽は形成されることが多いです
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