整形外科医のブログ

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掌側アプローチ

示指MP関節ロッキングの橈側手術

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先日、久しぶりに示指MP関節ロッキングの手術を行いました。
MP関節ロッキングは比較的珍しく、忘れた頃に症例を経験する印象です。


示指MP関節ロッキングの診断のポイントは、MP関節が屈曲位をとり伸展できないのですが屈曲はできることです。徒手整復を試みて成功しなければ手術が必要となります。


ロッキングの原因は中手骨骨頭のvolar lipという骨棘に副靭帯(fan like portion)がインピンジすることで発生します。手術では副靭帯(fan like portion)および骨棘(volar lip)を切除します。


さて、ロッキングは示指の橈側が原因であることがほとんどですが、圧痛点がMP関節橈掌側に
あることで最終確認します。もし、尺掌側であれば尺側を展開しなければならないからです。


アプローチは示指の橈側が原因であれば、側方アプローチが容易です。皮下を展開して伸筋腱膜を末梢に引くと副靭帯(fan like portion)が見えるので起始部で切除します。



volar lip - コピー



今回はvolar lipがよく分かりませんでしたが、上図の中手骨関節面の上にあった副靭帯(fan like portion)を切離するとロッキングが解除されました。


その後はvolar lipと思われる部位の骨をリウエルで切除しました。切除後の画像は下のようになっています。この操作によってMP関節ロッキングが再発することはないと思います。



切除後 - コピー



尚、注意点としてはロッキングを最終段階まで極力解除しないことです。理想的には副靭帯(fan like portion)を切離した瞬間にロッキングが解除されることです。


直視のみでは原因個所を判定することが難しいので、術前からロッキングが解除されている症例に手術を行ってはいけません。


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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








背側アプローチでの舟状骨骨折手術

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昨日の午後は舟状骨骨折に対する骨折観血的手術でした。Herbert type B2だったので、背側アプローチでスクリュー固定しました。


昔は掌側アプローチがメインでしたが、最近はほぼ背側アプローチを選択しています。掌側アプローチは大菱形骨が邪魔になって至適位置にスクリューを刺入できないからです。



1



まず、透視下に手関節を強制掌屈させて、舟状骨の周囲が黒い円状に見えるように調整を行います。この黒い円は軸方向から見た舟状骨の周囲です。




2



この黒い円の中心にガイドワイヤー先端を合わし、そのまま床に対して垂線方向に刺入します。舟状骨-大菱形骨間の関節までガイドワイヤー先端を進めます。


3



舟状骨の側面像です。ちょうど舟状骨のど真ん中の至適位置にガイドワイヤーが刺入されていることを確認しました。やはり背側アプローチの方が至適位置にキマり易いです。


掌側アプローチをせざるを得ない場合は、舟状骨の遠位端骨折(Herbert type B3)です。しかし、舟状骨遠位端骨折ならギプス固定で治癒するケースが多いと思います。


したがって、実質的に手術適応のある舟状骨骨折では、ほぼ全例背側アプローチを選択して問題ないと考えています。




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示指MP関節ロッキングの治療法

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示指MP関節ロッキングをバネ指と誤診するところでした のつづきです


示指MP関節ロッキングの診断のポイントは、MP関節が屈曲位をとり伸展できないのですが屈曲はできることです。徒手整復を試みて成功しなければ手術が必要となります。


ロッキングの原因は中手骨骨頭のvolar lipという骨棘に副靭帯(fan like portion)がインピンジすることで発生します。手術では副靭帯(fan like portion)および骨棘(volar lip)を切除します。


さて、ロッキングは示指の橈側が原因であることがほとんどですが、圧痛点がMP関節橈掌側に
あることで最終確認します。もし、尺掌側であれば尺側を展開しなければならないからです。


アプローチは示指の橈側が原因であれば、側方アプローチが容易です。皮下を展開して伸筋腱膜を末梢に引くと副靭帯(fan like portion)が見えるので起始部で切除します。


どちらが原因側か不明の場合には掌側からアプローチしますが、術野は比較的深いです。通常の腱鞘切開術と同様に腱鞘を切開して屈筋腱を避けます。腱鞘の外側縁を関節面が見えるまで切離することで副靭帯(fan like portion)の停止部を切離することになります。


尚、注意点としてはロッキングを最終段階まで極力解除しないことです。理想的は副靭帯(fan like portion)を切離した瞬間にロッキングが解除されることです。原因個所が判定することが難しいので、術前からロッキングが解除されている症例に手術を行ってはいけません。




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