整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

救急

患者さんの生死を分ける2つの気付き

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個人的な話で恐縮ですが、年度末は非常に忙しいです。特に今年の忙しさは半端ではない。その理由は、医師の退職ラッシュに遭遇中だからです。


医師数が半数近くになるという一種の医療崩壊に見舞われています。このため、残留組の医師にかかる負担が凄まじいのです...。


まぁ、昔から忙しいのは慣れっこなのですが、今回は少し事情が違います。内科医師が絶賛激減中なので、肺炎とか尿路感染症は私(=整形外科医)が診ているという末期的状況。


さすがに心不全とかはヘルプしてくれますが、重症肺炎ぐらいは自分で診とけや! という周囲からのプレッシャーが凄まじい(笑)。内科患者を整形で受けるのは止めたいです。


さて、人の命は永遠ではないので、内科的疾患の患者さんを常に10名以上抱えていると、看取りの問題が出てきます。


整形外科医なのに生と死の狭間を観察する毎日ですが、些細ではあるけど結構信憑性の高そうな「生と死を分ける」2つのポイントに気付きました。


ひとつ目は、食事を摂れているか否か。食事がそれなりに入っていると、CRPが20~30あろうが大丈夫な印象を受けています。一方、食事が入らなくなると相当苦しい...。


ふたつ目は、声を出せるか否かです。リカバリーできる肺炎は、しっかり発語できる人が多い印象です。耳が遠くて大きな声の患者さんも居ますが、大きな声=良い事だと思います。


このようなアナログなシグナルも確認しながら、患者さんの予後を予想しながら、家族を看取りに導く...。人工関節の予定手術と並行して実践している自分に少し驚きです。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



未滅菌手袋で腱縫合してもよいのか?!

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先日、高速サンダーで手を切った人が受診しました。以前の記事でご紹介したように、未滅菌手袋を使用して縫合しようと思いました。


まず局所麻酔をして水道水で石鹸で洗ってもらいます。昔に比べたら、こちらがやることが省略化されており、業務改善を感じます。


手洗いが終了すると処置台に上がってもらい、創部を観察します。しかし、手洗い前に比べると出血が多い...。手洗いすると止血されていた部分から再出血するのが玉に瑕です。


仕方ないので未滅菌手袋の指部分を切って、簡易エスマルヒ&ターニケットを実施しました。すると、PIP関節直上で伸筋腱が切れていました。


放置するとボタンホール変形をきたすヤツですね。伸筋腱中央索(central slip)はきっちり縫合しなければいけません。ここで、はたと手が止まりました。


腱縫合も未滅菌手袋で縫合してよいのか??? 感染すると少々厄介です。しかもナイロン糸は腱内に残存します。この場合は、やはり通常通りに消毒するのが吉だな...。


今回得た教訓は、未滅菌手袋で縫合する場合でも内部の観察はマストで、関節や腱にまで損傷が及んでいる場合には仕切り直した方が良さそうだということでした。






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縫合時に滅菌手袋を使用しないのは「エコ」だった件

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先日のブログで、救急外来で縫合する時は滅菌手袋を使用すべきか? について日経メディカルに載っていた記事を紹介しました。


救急外来では滅菌手袋を使用しても大きな問題はなく、外傷縫合では清潔操作よりも創内異物除去が大事という要旨でした。


その記事を読んで以来、救急外来で外傷縫合したくてウズウズしていました(笑)。しかし、役職が上がったためか、そんな機会はなかなかやって来ません。


つまらない日々を過ごしていた時、思いがけず縫合しなければいけない患者さんがやって来ました! こんなチャンスは滅多に無い。おもむろに実践してみることにしました。


ところが、私が指示する前に清潔台が出来上がっていました。救急の看護師さん仕事早過ぎ...。気を取り直して創部を消毒して穴空きシーツ無し、未滅菌手袋で縫合開始です。


意外と違和感無く縫合処置が終わりました。ベテラン看護師さんも涼しい顔しています。もしかして、未滅菌手袋の縫合は珍しくないのか?!


少し肩透かし喰らった感じで処置終了です。派手に驚かれることを期待していたのに、非常に残念です。しかし初めて実践した感想は「エコ」でした。


穴あきシーツや滅菌手袋を使用しないだけで、ずいぶん環境にやさしい気がします。おまけに病院経営にも吉。これからは、未滅菌手袋をスタンダードにしていこう。






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HbA1cが 15%だと痛みを感じない?!

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先日、HbA1cが15%もあるシビアな糖尿病患者さんの手術がありました。これだけコントロール不良の患者さんをみるのは久しぶりです。ちなみに前回の方は突然死しました...。


さて、いくらHbA1cが極度に悪くても、やらなければいけない骨折です。嫌々ながら手術を行いました。患者さんの退室後に麻酔科医師に術中どんな感じだったのかを確認しました。


すると、術中は麻酔深度を浅くして鎮痛薬を全く投与しなくても、ほとんど血圧に変化が無かったようです。う~ん、たしかに術前からほとんど痛みを訴えていなかったな...。


術翌日、患者さんに創部の痛みがあるのかを確認しましたが「全然痛くない」そうです。これって、いわゆるシャルコー関節みたいなものでしょうか???


疼痛をほとんど感じないのは患者さん的にはラクなのでしょうが、主治医としては気持ち悪いことこの上無しです。


この患者さんは 1年前まで近医で経口血糖降下薬を処方されていたようです。このため糖尿病が増悪してからそれほど時間が経っているわけではなさそうです。


それでもこれだけの感覚障害を併発しているのですから、血糖コントロールがいかに重要かが良く分かります。他山の石として、人工関節希望の糖尿病患者さんに啓蒙しよう。






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石鹸使用の創洗浄は有害だった?!

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
創洗浄はタラタラ洗えばよい。石鹸を使うと再手術率が増える! です。


日常診療で外傷をどのように洗ったらよいのか、その解答(FLOW試験)がNew Engl J Med(2015; 373: 2629-2641)に掲載されています。

  • 洗浄の水圧(高、中、低)と再手術率の間に相関はない!
  • 石鹸で洗うと生食で洗うより再手術率が高くなる! 

つまり、「創はふつうに生理食塩水(生食)でタラタラ洗えばよい、開放創1㎝以下なら生食3L、1cm超えていれば6Lで洗浄です。石鹸の使用はやめておきましょう」 ということです。




これは驚きの論文です。今までの常識が覆されました。挫滅創の患者さんが救急搬送されたら、勢いよく水道水で洗浄して、汚染度合いが強いと石鹸を使用することもありました。


正直言って、石鹸を使用した過去の症例の成績が悪い印象はありません。しかし、RCTの結果だけに無視するわけにはいきません。


これからはできるだけ、勢いは付けずに、かつ石鹸は使用せずに創部をしようと思います。しかし、工場内事故などの油成分の多い症例は本当に石鹸無しでいいのかな???


ちなみに、本日手指挫傷の患者さんが受診したのですが、おもわず石鹸での手洗いを指示してしまいました...。一度身についた習慣はなかなか修正できないものです。






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