先日の出産希望の関節リウマチ患者さんの話のつづきです。
” 出産 ” というと女性を思い浮かべますが、男性にも関係有ることが盲点だと思います。
MTXガイドラインでは妊娠希望の場合、少なくとも3ヵ月前にはMTXを中止する必要があると記載されていますが、これは男性にも当てはまるのです。
”妊娠”というと私達は女性にばかり目が行きがちで、MTX服用中の男性が妊娠に関わることをついつい失念しがちです。この場合、皆が不幸になるので忘れずに注意喚起したいものです。
しかし、男性患者と妊娠・出産について会話する場面はあまり無いと思います。また最近では40歳台前半でも不妊治療を行っている例もあるため、年齢だけで線引きできません。
そこで確実にMTX服用中の妊娠・出産は危険であることを周知するため、私は日本リウマチ学会が作成している患者さん向けのMTXパンフレットを導入時に配布するようにしています。
そして、妊娠・出産には男性も注意する必要があることを説明した上で、カルテにも患者さんに説明した上でMTXのパンフレットを手渡ししたことを記載しておきます。
このような手続を踏むことで、万が一にもMTX服用中に男性患者さんが奥さんを妊娠させてしまった時でも、当方に累が及ばないように予防線を張っておくとよいと思います。
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日本リウマチ学会
今日の午前は外来でした。以前、MTX投与前のQFTや胸部CT施行の義務化が、日本リウマチ学会等の関連団体に何の事前相談もなく(つまり学術的な検証も無く)、某製薬会社の保身のためだけに決定された暴挙を記事にしました。
某製薬会社の国民へのツケ回しであることは承知していますがルールには従わざる得ないので、新規の関節リウマチ患者さんには全例QFTや胸部CTを施行しています。
この結果、QFT陽性ですが胸部CTで所見が無いという、判断に苦しむ症例を経験するようになりました・・・。GFTは、BCGの影響は受けない結核既感染者の判定ツールです。したがってQFT陽性だからといって現在感染しているかどうかは不明なのです。
関節リウマチには粟粒結核も多いので、胸部CTで所見が無いからと言って結核を完全に否定できません。こうなってくると、QFT陽性で胸部CTで所見の無い患者さんには、頭部・腹部・骨盤部のCTを全例で撮影しなければならないのでしょうか?
更に、初診時にこれらの画像診断全てで明らかな異常所見が無くても結核感染を完全には否定できないので、副作用の強い抗結核療法をQFT陽性では全例に開始しなければならないのか?という議論にもなります。どう考えてもナンセンスですよね・・・。
某製薬会社が引き起こした現場の混乱を整理する力を持っているのは、日本リウマチ学会しか無いと思います。早期の指針作成を期待したいところです。
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今日はリウマチ学会に出席してきました。
本当についていくのがしんどいです・・・。
ただ、去年と違って生物学的製剤6剤とも使用経験があるのでスムーズの頭の中に入ってうるようになりました経験って大事ですね!
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