AI関連で、m3.comに興味深い記事がありました。
画像診断AIの実用化「当初期待より遅れる」です。
AIの劇的な進化によって、最初のスケープゴートになるのは放射線科医師ではないのか?という意見は多いです。それでは、AIはいつごろ放射線科医師を代替するのでしょうか?
米メイヨクリニックの放射線科教授のブラッドリー・J・エリックソン氏は2016年のウェブ講演会で、「5年後にはマンモグラフィーと胸部単純X線、10年後にはCT、MRI、超音波、15~20年後にはその他の画像診断がAIに代替される」と語っている。
ただ、昨年、中田氏がエリックソン氏にこの発言について確認したところ「ちょっと遅れている」という見解だったという。
これは、上記の問いに対する放射線科医師の権威の回答です。一気に放射線科医師がAIに置換されるわけではなく、段階的に代替されていく予想のようです。
その最大のハードルは、画像診断AIのディープラーニングに必要とされている、膨大な数の「正解付きデータ」の整備です。
インターネット上にある画像については、インターネット上の画像の正解付きデータベースであるImage Netのおかげで認識精度が飛躍的に改善しました。
しかし、医療用画像診断では、正解付きデータベースが十分に整備されておらず、このことが画像診断AI進化のボトルネックになっています。
ただ、問題点は正解付きデータベースだけなので、データが揃うと、あっという間に精度の改善された画像診断AIが実現化します。
こうなると人間では太刀打ちできなくなるので、やはり診断系の科が最もAIの脅威にさらされていると言えそうです。
このことが実現化すると、診断系の科から治療系の科への大移動が発生しそうです。そう遠くない未来予想図なので、今から医師になる人はよく考えるべきかもしれませんね。
豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です