整形外科医のブログ

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異所性骨化

異所性骨化による肘部管症候群

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先日、外傷性異所性骨化による肘部管症候群の患者さんの手術がありました。約2年前に肘関節部の外傷に併発した異所性骨化の治療を行っていたそうです。


しかし、家庭の事情で異所性骨化の治療が中断してしまったため、その後は放置となりました。そして、肘関節拘縮を少し残した状態で今日に至っています。


肘関節拘縮はそれほど高度ではないので、患者さん自身の不便さはさほどでは無かったようです。このため、異所性骨化の治療が中断してしまったのでしょう。


ところが、尺骨神経溝の中にまで異所性骨化が生じてしまったため、徐々に尺骨神経麻痺が進行しました。


初診時は典型的な鷲手変形をきたしていました。厳しい状況だったので大学の手外科の先生に相談したところ、さしあたって尺骨神経前方移行術で様子をみることになりました。


実際の術中所見としては、尺骨神経周囲に高度の癒着を認めました。初回手術としては見たことがないほどの癒着のしかたです。


特に尺骨神経の近位では上腕三頭筋の筋膜(?)の辺縁が高度に瘢痕化しており、尺骨神経をモロに圧迫していました。


異所性骨化の中を観察したのは初めてですが、通常の所見とかなり異なっていました。少しでも回復してくれたらいいなと思っています。




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人工骨頭挿入術後の異所性骨化

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今日の午前は外来でした。3週間前に他院で大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭挿入術を施行された方が通院リハビリテーション目的で紹介受診されました。


手術そのものは問題無く、術後X線像も至適位置にインプラントが設置されていました。しかし、本日の単純X線像で小転子部と大転子部にかなり派手な異所性骨化を併発していました。


この方は患側の股関節可動域が不良で、屈曲40 度・外転20度しかありませんでした。本日の紹介目的は股関節の可動域訓練でしたが、骨化期に可動域訓練を行うと異所性骨化が増悪します。


残念ながら股関節の可動域制限は残ってしまいそうですが、股関節の可動域訓練は行わずに、ダイドロネルによる異所性骨化進行の予防治療を優先する必要があると判断しました。


骨折の術後ですが、人工骨頭挿入術ではあまり単純X線を施行しないと思います。しかし時々異所性骨化を併発するので、早期発見のためにも定期的に単純X線を施行するべきかなと思いました。




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肘関節脱臼後の仮骨性筋炎

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先日記事にしましたが、肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残していたので、1週間後に再診してもらいました。


肘関節可動域はほとんど改善しておらず、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発し始めていました・・・。仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。


幸い仮骨性筋炎としては軽症の部類ですが、ますます可動域訓練の是非が難しくなってきました。受傷してから5週間経過しているのでこのまま放置しておくと、かなりの可動域制限が残ってしまいます。


仮骨性筋炎にはダイドロネル投与が効果的だと思いますが、脊髄損傷後と股関節形成術後の異所性骨化にしか適応が認められていません。また、小児(さすがに高校生は小児ではないでしょうが)への投与は禁忌です。


ダイドロネルの他には、NSAIDsが有効らしいです。これは、強直性脊椎炎でCox2選択阻害薬(セレコックス)が有効であることと同じ理屈なのでしょう。未成年ではありますが説明と同意の上、投与を開始しようと思います。


他動での可動域訓練は控えつつも、自主訓練ではなく通院での渦流浴と自動可動域訓練を開始しようと思います。やはり肘関節屈曲角度が最低でも115度を越えないと日常生活で支障が残るからです。




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手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








肘関節脱臼後の可動域訓練について

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肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
まず上肢のギプスシーネ固定を2週間施行した後に、自動運動での肘関節可動域訓練を開始しました。


しかし受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残しています。幸い、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発していないため、OTに他動での肘関節可動域訓練を依頼することを検討しています。


仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。研修医の頃から肘関節の仮骨性筋炎には気を付けるように散々言われているので、なかなか他動での可動域訓練を依頼する勇気がありません・・・。


ちなみに自動での肘関節可動域訓練は前腕を回内しながら肘関節を伸展・前腕を回外しながら肘関節を屈曲するように指導します。前腕を回内することで上腕二頭筋や回外筋の緊張が緩むので伸展しやすくなるからです。




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