最近の整形外科領域における製薬会社主催の薬品説明会の定番は、関節リウマチの生物学的製剤とPTH製剤などの骨粗鬆症治療薬だと思います。


両者とも非常に高価な薬品群なので、製薬会社も販売に力を入れています。さて、定番化した薬品説明会ですが、とある製薬会社主催の関節リウマチの講演会に参加してきました。


テーマはその製薬会社が販売する生物学的製剤に関する学術研究の結果でしたが、情報交換会の挨拶で、とある現役を退かれた関節リウマチ界の重鎮の先生のひとことが印象的でした。


いわく、「生物学的製剤の第一選択薬になるためには、薬価の引き下げが最も重要である」とのことです。「薬価が引き下がれば自然に第一選択薬となる可能性が高い」という持論です。


この言葉は、まさに至言だと思います。2014年9月現在、日本では7種類の生物学的製剤が使用可能です。それぞれ特徴はありますが、効果はほぼ横並びであることが判明しつつあります。


こうなってくると、医師側からは①安全性 ②継続率 ③バイオフリーの可能性、患者側からは①薬価 ②投与方法 が薬剤を選択する上での重要なポイントとなってくると思います。


しかし、最終的には患者さんに治療を開始するか否かの決定権があるので、やはり”薬価”が生物学的製剤の第一選択薬として最も大きな要素となる可能性があるのです。


そういう観点からTCZやABAが生物学的製剤の第一選択薬となる可能性があります。両剤ともTNF阻害薬の2番手的な扱いですが、EULAR 2013では両剤とも第一選択薬に加えられました。


薬価で第一選択薬を決定するとは何事か!と関節リウマチのお偉方から批判を受けそうですが、実際に費用負担する患者さんに対して”武士は食わねど高楊枝”は通用しないと思います。



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