今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。術前でL4/5に高度の狭窄を認めました。
この方は心臓ペースメーカーを留置しているためにMRIを施行することができず、脊髄造影およびCTを施行した結果、上記の診断となりました。
心房細動もあり、普段からイグザレルドを服用して抗凝固療法を行っています。イグザレルドはリクシアナと同じような薬効なので、術前日から服用を中止してもらいました。
いつものようにL4棘突起末梢側の1/2とL5棘突起中枢側の1/5の掘削から開始して、5→3mmのdiamond burrを用いて椎弓の内板を中心に椎弓間を掘削していきました。
今回の症状は右下肢痛なのですが、黄色靭帯を展開したあたりから術野の異常に気付きました。黄色靭帯の右半分だけ暗青色なのです。もしや血腫か?と思いながら掘削を続けました。
脊柱管をドーム状に掘削し終って、いよいよ黄色靭帯を落とそうとしたとき、黄色靭帯と椎弓の隙間から血腫が噴出しました。下の画像のように暗赤色の血餅の状態でした。
暗青色に変色した黄色靭帯は肥厚して硬膜管と癒着していました。硬膜損傷を防ぐため比較的正常に近い部分から黄色靭帯の切除を進めました。
最終的には血腫や癒着を全て解除して右L5神経根の除圧を確認しました。腰椎硬膜外血腫を見たのは久しぶりですが、今回は術前MRIが無かったので予想外の展開に驚きました。
抗凝固療法中の方だったので、後から考えると腰椎硬膜外血腫も鑑別疾患のひとつです。しかし心臓ペースメーカーのためMRI施行不能だったので、実際には手術まで診断不可能でした。
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