整形外科医のブログ

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筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術

狭窄症ではなく硬膜外血腫でした!

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今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。術前でL4/5に高度の狭窄を認めました。


この方は心臓ペースメーカーを留置しているためにMRIを施行することができず、脊髄造影およびCTを施行した結果、上記の診断となりました。


心房細動もあり、普段からイグザレルドを服用して抗凝固療法を行っています。イグザレルドはリクシアナと同じような薬効なので、術前日から服用を中止してもらいました。


いつものようにL4棘突起末梢側の1/2とL5
棘突起中枢側の1/5の掘削から開始して、5→3mmのdiamond burrを用いて椎弓の内板を中心に椎弓間を掘削していきました。


今回の症状は右下肢痛なのですが、黄色靭帯を展開したあたりから術野の異常に気付きました。黄色靭帯の右半分だけ暗青色なのです。もしや血腫か?と思いながら掘削を続けました。



P1060811




脊柱管をドーム状に掘削し終って、いよいよ黄色靭帯を落とそうとしたとき、黄色靭帯と椎弓の隙間から血腫が噴出しました。下の画像のように暗赤色の血餅の状態でした。



P1060815




暗青色に変色した黄色靭帯は肥厚して硬膜管と癒着していました。硬膜損傷を防ぐため比較的正常に近い部分から黄色靭帯の切除を進めました。


最終的には血腫や癒着を全て解除して右L5神経根の除圧を確認しました。腰椎硬膜外血腫を見たのは久しぶりですが、今回は術前MRIが無かったので予想外の展開に驚きました。


抗凝固療法中の方だったので、後から考えると腰椎硬膜外血腫も鑑別疾患のひとつです。しかし心臓ペースメーカーのためMRI施行不能だったので、実際には手術まで診断不可能でした。



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腰椎の手術―ベーシックからアドバンストまで必須テクニック (OS NOW Instruction)


2椎間連続のMILD法

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今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。L4/5およびL5/S1の2椎間で高度の狭窄を認めました。


このような連続した2椎間の狭窄をきたした腰部脊柱管狭窄症の場合、これまでは手術時間短縮のために棘突起縦割式腰椎椎弓形成術
を施行してきました。


しかし、棘突起骨片がフリーになるので、腰痛や腰部筋力低下を来たす可能性があります。したがって、今回は2椎間ともMILD法を施行しました。


2椎間連続のMILD法では、間にある椎体の棘突起が非常に短くなることが問題となります。棘突起中枢側の1/5・末梢側の1/2を掘削するので、中央に小指程度の棘突起した残せないのです。


このような小さな棘突起からもしっかりと傍脊柱筋が起始するので、棘突起縦割式と比較して腰部の後方軟部組織のほとんどを温存することが可能です。


こう言ったことを念頭に置いて今日も中枢側から慎重にMILD法を施行しました。L4/5ではL5棘突起中枢側の掘削を最小限に、L5/S1ではL5棘突起末梢側の掘削を最小限にしました。


その結果、L5棘突起を綺麗に温存することができました。棘突起縦割式よりも20分程度余分に時間が掛かりますが、後方の軟部組織温存のためには仕方無いと思っています。



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腰椎の手術―ベーシックからアドバンストまで必須テクニック (OS NOW Instruction)



変性の強い脊柱管狭窄症は要注意!

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今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。かなり変性の強い腰部脊柱管狭窄症の方でした。


通常、棘突起から椎弓の内板までは5mmのdiamond burrを使用しますが、骨粗鬆症がベースにあったため、あっという間に内板にまで到達しました。


スパーテルを用いて黄色靭帯を椎弓から剥離しました。ここまでは問題なかったのですが、硬膜と黄色靭帯の癒着が激しく、いつものように黄色靭帯を硬膜からうまく剥がせませんでした。


かなり慎重に黄色靭帯を硬膜から剥離したのですが、癒着が高度であったため部分的に硬膜損傷を併発しました。幸い小さな穴だったので、6-0 プロレンを用いて硬膜修復を行いました。


変性が高度な腰部脊柱管狭窄症は硬膜と黄色靭帯が癒着していることがあります。黄色靭帯切除の際には、細心の注意をはらって黄色靭帯を硬膜から剥離するべきだと思いました。




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diamond burrは掘削以外にもメジャーやスパーテルとしても使えます

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昨日の午前に行った筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)のつづきです。


MILD法はいわゆる低侵襲手術なので、皮膚切開は1椎間なら約3cm程度となります。そして椎弓切除はトランペット型に必要最小限のみ掘削します。


私は、3mmと5mmの2種類のdiamond burrを主に使用しています。棘突起から椎弓の内板までは5mmのdiamond burrを使用し、lateral recessをトランペット型に掘削する際には3mmのdiamond burrを使用するのです。


このように掘削をワンパターン化することで、脊柱管を掘削する幅も一定化します。ほとんどの症例で掘削する幅は15mm(5mmのdiamond burr3個分)になります。diamond burrはそれ自体がメジャーの役割も果たすのです。


また、いちいちスパーテルに持ち替えるのが面倒なので、回転を止めた状態でdiamond burrで軽く掘削面を押してみて黄色靭帯が露出しているかを確認します。つまりdiamond burrはスパーテルの役割もある程度果たすのです。



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筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(MILD法)のコツ

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今日の午前は腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎椎弓形成術でした。私達が行っているのは、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)です。


MILD法は、東京歯科大学市川総合病院 整形外科教授の白石先生が考案した選択的頸椎椎弓形成術(SKIP laminoplasty)をヒントにして、京都府立医科大学 整形外科の八田先生が考案した術式です。


MILD法は従来の椎弓切除術と比べて、①後方要素を温存できる ②正中からアプローチするためオリエンテーションをつけやすい ③正中からアプローチするため容易にlateral recessをトランペット型に掘削できる というメリットがあります。


手術のコツは、黄色靭帯を切除する前に出来る限りdiamond burrで椎弓切除を行っておくことです。理想的には、少なくとも骨性部分に関してはケリソン鉗子を一切使用せずに終了することです。


実際には下位腰椎椎弓上縁はケリソン鉗子を使用した方が安全に手術を施行できますが、気持ちの上では出来るだけdiamond burrのみで椎弓切除を行うようにしています。


初心者のうちは、椎間関節部の掘削が一番難しいと思います。椎間関節周囲には関節包などの軟部組織が多いのでヘルニア鉗子を使いたくなりますが、軟部組織の下には骨があるのでdiamond burrでも軟部組織を十分に切除できます。


ケリソン鉗子を多用すると硬膜損傷を引き起こす原因となることがあります。黄色靭帯というバリヤーがある間に、diamond burrで可能な限り椎弓切除を施行する方が安全だと思います。




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